日本では唯一塗り薬としての脱毛症治療用成分に認められているのが「ミノキシジル」です。AGA(男性型脱毛症)以外にもFAGA(女性男性型脱毛症)、びまん性脱毛症などの脱毛症治療に幅広く用いられています。
日本では大正製薬の「リアップシリーズ」とロート製薬の「リグロEX5」、ANGFAの「スカルプDメディカルミノキ5」など複数の製薬会社からリリースされている商品がミノキシジル製剤(育毛剤)として承認されています。こちらは一般薬(第1類医薬品)なので薬剤師のいる薬局やネット通販で購入することができます。
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目次
- ミノキシジルの塗り薬の効果について
- ミノキシジルの効果が出始める期間はいつ?
- 女性にミノキシジルの塗り薬は有効?
- ミノキシジルの塗り薬の効果は女性でも実感できる?
- ミノキシジルタブレットとは?その効果
- ミノキシジルの効果の継続期間はどのくらい?
- ミノキシジルとフィナステリドの効果の違い
- ミノキシジルとプロペシアを併用すると効果が抜群!
- ミノグロウの効果
- スカルプDの効果
- ミノキシジルでM字脱毛症(M字ハゲ)を効果的に治療するために
- ミノキシジルの効果が持続する時間はどのぐらい?
- ミノキシジルの効果はどのぐらいの確率で実感できる?
- ミノキシジルの効果は年齢によって違いがある?
- ミノキシジルの効果ないと言われる理由
- ミノキシジルの効果についてのまとめ
ミノキシジルの塗り薬の効果について
ミノキシジルは1960年代にはすでに開発されていた古い成分です。元は高血圧の治療薬として研究されていおり、高血圧治療薬(経口薬)のロノテンが作られましたが、いまでも日本未承認薬です。
その後の治験や臨床投与の結果、副作用として「発毛効果」があることが確認され、2%のミノキシジルを配合した「ロゲイン」という育毛剤(塗り薬)が開発されたのですが、こちらも日本では未承認です。
高血圧治療薬には幾つかの種類があります。ミノキシジルは血管を拡張して血流を改善するための成分です。日本で承認されているリアップ、リグロEX5、スカルプDメディカルミノキ5にも同様の作用があり、脱毛部に塗ってマッサージすることで、頭皮の毛細血管を拡張し毛根に栄養と酸素を届けて丈夫にする効果があります。
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ミノキシジルの効果が出始める期間はいつ?
ミノキシジルの効果はどのくらいで出始めるのか期間が気になりますよね?
脱毛症には複数のパターンがありますが、いずれもヘアサイクルの乱れによって発生することがわかっています。
ヘアサイクル
ヘアサイクルのステージ | 状態 |
---|---|
成長期(初期) | 新たな毛乳頭が形成される時期でまだ毛は生えていない状態 |
成長期(中期) | 毛乳頭が成長し続けている状態、毛自体も細くて弱いが成長を続けている状態 |
成長期(後期) | 毛乳頭が成熟し、毛も太くて長いく両方とも成長が鈍化していく時期 |
退行期 | 毛細血管から毛乳頭が離脱し、毛が抜け始める時期 |
休止期 | 完全に毛が抜け、毛包内では新たな毛乳頭形成のための準備中 |
壮年性脱毛症(AGA、FAGA、びまん性脱毛症)は成長中期の早い段階でいきなり退行期に移行してしまい、毛乳頭と髪の毛が成熟する前に脱毛してしまう皮膚の障害です。
健康なヘアサイクルは4〜6年ですが、AGAを発症すると1年未満になってしまいます。これは髪の毛が正常に育つ前に脱毛してしまうということです。
そして一度弱くなった毛根はミノキシジルを与えてすぐに元通りになるわけではありません。弱い毛根を一旦追い出し、そのご強い毛根を作るための準備期間に入ります。この間は一見脱毛が進んでしまったかのように見えますが、そうではありません。
髪の毛が毛穴の中で育つ「休止期」〜「成長前期」には半年ほどの時間を要します。このためミノキシジルは最低でも3〜6ヶ月以上は継続しないと意味が無いと言われています。
現在ミノキシジルは5%まで承認されていますが、5%ミノキシジルでもAGA治療では半年間継続塗布してようやく90%以上の治療効果を発揮することが確認されています。
女性にミノキシジルの塗り薬は有効?
FAGA(女性型脱毛症)についてもミノキシジルは有効です。ただし、AGA(男性型脱毛症)のように5%ミノキシジル製剤を使うことはFAGAの治療ガイドラインでも推奨されていません。
女性がミノキシジルを使用する場合は大正製薬から発売されている1%ミノキシジル製剤の「リアップジェンヌ」、または美容皮膚科などで独自に調剤した2%ミノキシジル製剤を使います。
ミノキシジルの塗り薬の効果は女性でも実感できる?
日本皮膚科学会が策定している女性型脱毛症の治療ガイドライン(2017年版)では初めて女性型脱毛症という病名が正式に採用されました。
そしてこのガイドラインでは女性型脱毛症にもミノキシジルの効果が認められています。ただし、女性の場合は1%ミノキシジル外用薬の使用が推奨されています。5%ミノキシジルは安全性が確認されていないため、女性がミノキシジルを使う時はリアップジェンヌ(大正製薬)を使うようにしてください。
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ミノキシジルタブレットとは?その効果
ミノキシジルタブレットは現在日本では未承認の薬ですが、脱毛症に良いと言われていて、AGAスキンクリニックのオリジナル治療薬リバースや美容外科などで処方されることがあります。
本来ミノキシジルタブレットは高血圧治療用薬ロノテン(こちらも日本では未承認薬です)のジェネリック医薬品で、脱毛症の治療用ではありません。副作用も出やすいのでミノキシジルタブレットを検討する場合はAGA治療専門クリニックや皮膚科のドクターの指示に基づいて正しく服用してください。
ミノキシジルの効果の継続期間はどのくらい?
ミノキシジル塗り薬は1日2回塗布します。したがって効果は12時間以上継続することになります。
ミノキシジルは第一類医薬品の指定を受けていて、副作用があります。もっとも多い副作用は「頭皮のかゆみ」で5%ミノキシジルを配合しているリアップX5プラス、メディカルミノキ5、リグロEX5では約10%の割合で副作用が出現すると報告されています。
このため、使用上の注意書きをよく読み、用法用量を守って正しく使用してください。医療機関から独自に処方されているミノキシジルも同様です。
ミノキシジルとフィナステリドの効果の違い
脱毛症でもっとも多いのはAGA(男性型脱毛症)と言われています。現在治療を必要とする全脱毛症の中で85%以上を占めています。
AGAの治療には飲み薬(AGA治療薬)とミノキシジルの塗り薬を併用するというのが主流です。飲み薬は医療用医薬品の指定を受けているので医師が発効する処方箋を元に院外薬局や院内薬局で購入します。
この飲み薬の主成分がフィナステリドです。フィナステリドを主成分とする薬にはプロペシアとプロペシアジェネリックがあります。
価格は医療機関によって異なりますが、AGAスキンクリニックのような専門医では一般皮膚科よりも料金が安い傾向があります。
ミノキシジルとプロペシアを併用すると効果が抜群!
先にも紹介した通り、現在AGA治療の第一選択肢はミノキシジルとプロペシアの併用になります。これは日本皮膚科学会が策定する最新のAGA治療ガイドラインでも最高ランクの推奨度Aを獲得している治療法です。
治療効果としてはプロペシアでAGAの原因を抑制してミノキシジルで頭皮の血流を改善し、発毛を促進させるということになります。
ミノグロウの効果
ミノグロウは岩城製薬が販売している5%ミノキシジル塗り薬です。リアップX5プラスやリグロEX5と同様にミノキシジルの濃度が国内最高濃度ですが、価格が他の商品の半額程度で買えるので、少しでも安くミノキシジル塗り薬を購入したい方におすすめです。
スカルプDの効果
スカルプDは頭皮ケアをトータルでサポートするヘアケアブランドです。
シャンプー&コンディショナーが有名ですが、合わせて使いたい薬用ヘアトニックと発毛剤のスカルプDメディカルミノキ5がラインアップされています。
メディカルミノキ5はリグロEX5と値段、有効成分が同じなので、どちらを選んでも効果は変わりません。同じ価格帯ならばリアップX5プラスには5%ミノキシジルに薬用育毛成分が配合されているので効果が高いと思います。
ミノキシジルでM字脱毛症(M字ハゲ)を効果的に治療するために
ミノキシジルは壮年性脱毛症の治療薬として厚生労働省から正式な承認を得ている医療用成分ですが、この壮年性脱毛症を一口でいうと「加齢が主な原因で起こる脱毛症全般」のことです。
そして、この脱毛症はさらに次の3つに分類されています。
- AGA(男性型脱毛症)
現在原因が解明され治療薬が存在する脱毛症です。
皮膚科やAGAクリニックで治療されている脱毛症の90%近くがAGAです。 - FAGA(女性男性型脱毛症)
女性が起こす脱毛症の多くは次に挙げる「びまん性脱毛症」ですが、女性のびまん性脱毛症のことをFAGAと呼んでいます。
しかし2017年に日本皮膚科学会が新たに「女性型脱毛症」という病名を承認したため、今後は女性型脱毛症がFAGAとして定着していくものとおもわれます。 - びまん性脱毛症
女性に多い脱毛症です。
加齢(閉経)が主な原因という以外に詳しいメカニズムは解明されていません。
男性にも頭部全体に脱毛を起こす「びまん型」があるので、必ずしも女性特有の脱毛症というわけではありません。
脱毛症の治療薬にはAGAだけに治療効果を発揮するプロペシアやザガーロという飲み薬がありますが、AGAも内服薬とミノキシジルを併用することでさらに治療効果がアップすることが臨床的にも証明されています。
加えてミノキシジルはFAGAやびまん性脱毛症にも効果を発揮するので、AGA治療薬よりも適用範囲が広いということになりますね。
しかし、ミノキシジルで効果的に使用するには継続することが何よりも大切です。
脱毛症というのは進行性の皮膚トラブルだからです。何もしなければ脱毛はどんどん進行していくもの。だから使いつづけることで効果を発揮し、進行を遅らせることがまずはミノキシジルの最初のミッションなのです。
ミノキシジルの効果が持続する時間はどのぐらい?
現在日本で承認されているミノキシジルの最大含有量は5%です。
5%ミノキシジルの塗り薬は1日2回/1回1mlを脱毛部に塗布するというのが正しい使い方なので、10時間ほど効果が持続することになります。
ミノキシジルの効果はどのぐらいの確率で実感できる?
ミノキシジル外用薬は半年間連続使用することでおよそ90%の壮年性脱毛症改善効果が得られると言われていますが、もう少し具体的に検証してみましょう。
日本皮膚科学会が公表している「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン(2017年版)」でもミノキシジル外用薬の推奨度は最高ランクのAとされています。
CQ3:ミノキシジル外用は有用か?
推奨度:A
推奨文:ミノキシジル外用を行うよう強く勧める (男性型脱毛症:5%ミノキシジル,女性型脱毛症:1%
ミノキシジル).
(引用元:厚生労働省「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン(2017年版)」)
ミノキシジル5%の壮年性脱毛症に対する治療効果は
- 著明な改善(ほぼ改善):10%
- 中等度改善(半分以上改善):60%
- 軽度の改善(うっすら生えてきた程度):21%
ということなので「発毛効果は70%以上」と、かなり高い治療効果が確認されていることになりますね。
(参考元:大正製薬リアップX5プラスの発毛効果データより)
ミノキシジルの効果は年齢によって違いがある?
壮年性脱毛症はヘアサイクルの成長中期からいきなり退行期へと移行する皮膚障害です。この状態で一旦弱ってしまった毛根は一旦抜けてから、次の休止期に毛包に栄養をたくさん蓄えて、丈夫な毛根を作り出す能力を高める必要があります。
人は年齢を重ねるとどうしても基礎代謝が落ち、血流障害を起こしてしまいがちですね。だから薄毛や抜け毛の対策は気がついた時点で早めに行っておくとそれだけ効果も高いということになります。
脱毛症に限らず体調不良や健康被害は早期発見、早期治療が一番大切なことなのです。
ただし、ミノキシジルは血管を拡張して血行促進させる作用が強い成分なので、ある程度進行した脱毛症でも治療が見込めます。まず心配ならば、皮膚科やAGAクリニックなどを受診して、脱毛症の状態を正しく診断してもらうことが重要です。
ミノキシジルの効果ないと言われる理由
人の毛穴の数というのは決まっていて、増えるということはありません。毛穴の中の毛包が消失してしまうと完全脱毛という状態になり、その毛穴からは二度と毛が生えてこなくなります。
毛包が完全消失してしまうと毛穴が極端に小さくなります。こうなってはいくらミノキシジルを塗布しても効果はでません。
また以下に挙げる身体状態の人はヘアサイクルが乱れやすくミノキシジルの効果が出にくいと言えます。
- ミノキシジルに対してアレルギーがある人
- 生活習慣が乱れがちな人
- すでに生活習慣病を指摘されている人
- 便秘や下痢気味で胃腸障害を起こしている人
- 頭皮の衛生状態が悪く脂漏性皮膚炎を起こしている人
- 過激なダイエットの影響で栄養状態の悪い人
- 肥満
- 壮年性脱毛症以外の脱毛症:円形脱毛症、尋常性白斑症など
- 精神疾患で治療中の人:うつ、不眠、統合失調症など
- 更年期障害でホルモンバランスが乱れやすい人
- アレルギー体質の人
- 自己免疫性疾患の人
- アルコールやカフェインを過剰摂取する人
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ミノキシジルの効果についてのまとめ
脱毛症は遺伝だと思われがちですが、遺伝由来の脱毛症というのは全体の1%未満と非常に少なく、ほとんどが加齢やホルモンバランスの乱れ、精神的なストレス、生活週間の乱れ、間違ったヘアケアやダイエットによるもの、ということを覚えておいてくださいね。
だから、ミノキシジルを使う時は生活習慣の改善にも務めるようにしてください。また、女性がミノキシジル外用薬を使う場合は1%(リアップジェンヌ等)が適切ですので、これもしっかりと守るようにしてください。