プロペシアで抜け毛が減らない?その理由など詳しく解説

脱毛治療イメージ

プロペシアは世界中でAGA(男性型脱毛症)の治療で用いられている内服薬で、主成分は「フィナステリド」です。日本でも厚生労働省に承認されていて、皮膚科やAGAクリニックなどで処方されています。
AGA治療においては主役クラスの薬で、70%近い治療効果を誇ります。
しかし、プロペシアを飲んでも抜け毛が減らないという口コミを見かけることがあります。今回はプロペシアを飲んでも抜け毛が減らないのはなぜか?その理由などを詳しく解説していきます。

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プロペシアとは?

プロペシアの主成分フィナステリドは、もともとは前立腺肥大症やそれに伴う高血圧の治療用に開発されたのですが、治験時に副作用としてAGA改善効果が報告され、その後本格的にAGA治療薬としての開発が始まりました。日本では2005年に厚生労働省が承認しています。
プロペシアは医療用医薬品の指定を受けているので、一般薬には配合されていません。プロペシアやプロペシアジェネリックを入手するには皮膚科やAGAクリニックで治療を受ける必要性があります。
この薬が承認されたことで抜け毛は医療機関で治療を受けることが可能という認識が広がったと言っても過言ではありません。

プロペシアの効果

男性ホルモンの量は20代をピークにしてあとは減っていく一方なので、抜け毛は年齢を重ねるごとに発症率が上昇していきます。50代では40%以上、60代になると60%以上の人がAGAを発症するという統計が出されています。
プロペシアの効果は「AGAの進行を遅らせて、ヘアサイクルを正常な状態に近づける」ことです。
つまり、AGA治療薬ではありますが、プロペシアに発毛効果はありません。現状を維持しながらテストステロンが毛根に届けられるのを助けるという効果です。
ただし、治療効果は非常に高く、日本国内でも60%〜70%の割合で抜け毛の改善効果が得られたというデータが公開されています。(海外のエビデンスでは98%に達しているところもあります)

プロペシアはクリニックで処方してもらう薬

厚生労働省ではプロペシアを「医療用医薬品」として承認しています。医療用医薬品は一般薬とは異なり、医療機関でのみ取り扱うことができる薬のカテゴリーです。
したがって、プロペシアを入手するには医療機関で処方箋を出してもらうか、院内処方で出してもらうかのいずれかです。
ただし、一般皮膚科でも治療は可能ですが抜け毛治療は保険証が効かない自由診療なので治療にかかる費用は100%自己負担になります。

プロペシアで抜け毛が減らない理由について

プロペシアについていろいろ調べていると時々「抜け毛が減らない」という口コミが書かれていることがあります。
プロペシアの治療改善効果は日本人の場合およそ60〜70%と言われているので治療薬としては効果が高い方なのですが、どうして抜け毛が減らないのか、その理由についてケース別に解説してきましょう。

そもそも抜け毛は毎日発生している

AGA治療というのは「ヘアサイクルを正常な状態に近づけていくこと」が目的です。ヘアサイクルとは毛髪が生え変わるサイクルのことで、健康な頭皮と毛髪ならば4年から6年の周期で生え変わりが起ります。
健康な毛髪が一定の量に見えるのは抜けていく髪の毛の量と生えてくる髪の毛の量がほぼ一致しているからです。
つまり、健康な頭皮と毛髪でも毎日抜け毛は起こっているので、プロペシアを飲んでいるからといって100%抜け毛がなくなるということはありえません。

AGA治療には最低でも3ヶ月以上の期間が必要

AGA治療は早ければ3ヶ月程度で治療効果が出てきます。しかしAGAは進行性なので、継続的な治療が必要です。日本におけるプロペシアの治療効果は6ヶ月以上連続投与した場合で検証されていますので、飲み始めてすぐに抜け毛が減るというわけではないことを覚えておく必要があると思います。

併用している育毛剤の作用で初期脱毛を起こしているかも?

AGAは5α-リダクターゼによって育毛作用のあるテストステロンの量が減ってしまうことで起こるので、毛根が栄養障害を起こしていると言えます。
こうして弱ってしまった毛根は育毛ケアやAGA治療によってヘアサイクルが正常化していく途中で追い出されて、新しく丈夫な毛根を作ろうとする作用が起ります。
プロペシアには発毛効果がないのですが、AGA治療では発毛を促すミノキシジル外用薬を併用するので、「弱い毛根を追い出して早く丈夫な毛根を再生させよう」とする働きが起り、「初期脱毛」と呼ばれる好転反応のような症状が発生します。
これはプロペシアやミノキシジルの副作用ではなく、頭皮環境が正常化している証拠なので初期脱毛が起こっても治療は継続します。

プロペシアが効かないAGAとは?

プロペシアが作用するのはII型5α-リダクターゼです。AGAの原因物質となるのはほとんどのケースでII型なのですが、稀にI型5α-リダクターゼ由来のAGAも存在します。
このケースではプロペシアが作用しないため、抜け毛は減りません。I型5α-リダクターゼ由来のAGAに対してはデュタステリド(薬品名ザガーロ)が投与されます。

生活習慣が乱れている

抜け毛は生活習慣が乱れていても起ります。頭皮も皮膚の一部なので食生活が乱れて栄養バランスが悪いと新陳代謝が鈍り、抜け毛が増えるのは当然といえば当然ですね。
同様に運動不足や睡眠不足、ストレス過多も肌のコンディションを悪くする原因なので、プロペシアを飲んでも生活習慣が乱れていては効果が半減してしまう可能性があります。
実際にAGA治療の現場では生活習慣の改善指導も行われるので、出来る範囲から生活習慣を改善していきましょう。

ミノキシジルとの併用がスタンダード

日本皮膚科学会が策定する抜け毛治療のガイドラインではプロペシア(またはザガーロ)の内服と5%ミノキシジル外用薬がAGA治療における推奨度Aランクの治療法になります。
ミノキシジルには発毛効果が認められているので、プロペシア1mgの内服と5%ミノキシジルの外用薬を併用するのが現代のAGA治療のスタンダードです。

副作用について

プロペシアのように特定の酵素にしか作用しない薬を「酵素阻害剤」といいます。酵素阻害剤は体内の他の物質には影響をもたらさないので副作用が少ないというメリットがあります。
ただし、医薬品なので副作用がゼロではありません。
日本国内でプロペシアを服用した場合に報告された副作用というのは主に2つ

  • リビドー(性欲)の低下:およそ1.1%
  • ED:0.7%〜0.8%
です。どちらも男性ホルモンの作用に関係している症状なので、プロペシアを服用した結果、DHTの減量が副作用発症の原因になったと考えられます。
それ以外にもごく稀(0.001%以下)にプロペシアに対するアレルギーで起こるアナフィラキシーショックがあり、呼吸困難、動悸、息切れ、全身浮腫、湿疹などが起ります。

プロペシアには特に併用禁忌の薬はありませんが、血圧に作用する成分なので、何かしらの持病があり治療を受けている方は前もって処方医に伝えてください。
なお、女性や未成年には処方できない薬です。

プロペシアと抜け毛の関係についてのまとめ

抜け毛というのはたとえ脱毛症を発症していなくても日々起こっている自然な生理現象です。髪の毛には寿命があり、順番に抜けていくものです。
しかし、加齢や生活習慣の乱れなどいろいろな要素が重なってAGAなどの脱毛症を起こしてしまうとヘアサイクルが乱れ生えてくる毛の量よりも抜けていく量の方が多くなってしまいます。
プロペシアは優れたAGA治療薬ですが、その効果は「現状維持」です。
抜け毛を根本から対策したい場合には生活習慣の見直しと発毛効果のあるミノキシジル育毛剤を併用するのが近道です。

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