ミノキシジル配合の内服薬まとめ!副作用など解説します。

脱毛治療イメージ

壮年性脱毛症は日本人の30%が発症すると言われています。多くはAGA(男性型脱毛症)ですが、近年FAGA(女性型脱毛症)も増加傾向をたどっています。
脱毛症の治療には日本皮膚科学会が策定している治療用ガイドラインがあるのですが、もともと保険証の効かない自由診療なので、一般的な保険診療に比べると自由度が高く、AGAやFAGAの治療に特化している専門のクリニックでは積極的にミノキシジル内服薬を処方しているケースが見受けられます。
ネットでもミノタブというミノキシジル内服薬が人気のようですが、本当にミノキシジルを内服しても大丈夫なのでしょうか?今回は気になるミノキシジル内服について詳しく解説していきます。

ミノキシジル内服について

日本皮膚科学会が策定している最新の男性型および女性型脱毛症の治療ガイドライン(2017年度版)では、ミノキシジルの内服を使用するのは推奨度D(行うべきではない)に位置付けられています。
しかし、実際には脱毛症治療専門のクリニックや美容皮膚科では積極的にミノキシジルの内服治療を行っているように見えます。
ところで、そもそも「ミノキシジル」というはどのような成分なのでしょう?まずはそこから紐解いていきましょう。

ミノキシジルはもともと高血圧の治療薬

ミノキシジルは本来高血圧症の治療薬として開発された成分です。非常に優れた血管拡張効果があり、アメリカでは1960年代にすでにFDA(アメリカ食品医薬品局)が高血圧の治療薬としてロノテンを承認しています。
ミノキシジルが脱毛症に有用であるということが判明したのは1980年代に入ってからで、このとき2%ミノキシジル外用薬としてロゲインという薬が世界初の脱毛症治療薬(外用薬)としてFDAに承認されました。

日本では高血圧の治療薬としても認められていない

1960年代に登場した成分ということはもう50年ほどの歴史を持つ古い成分ということになりますが、不思議なことに日本では1999年に大正製薬が1%ミノキシジル外用薬としてリアップを発表するまで、ミノキシジルについての医薬品承認が降りていませんでした。
今でも高血圧治療薬としてのミノキシジルは承認されていません。

日本人は高血圧リスクが高い?

ところで、高血圧症というのは日本人にも非常に馴染みのある病気ですね。生活習慣病の一つであり、さまざまな病気に合併する非常に厄介な病気です。高血圧症患者のおよそ90%が本態性高血圧(原因が明確ではない高血圧)と言われていますが、高血圧症だけで年間1,000人以上の死者が出ています。
日本では家庭で測定する常態血圧が130mmHg(上限値)/90mmHg(下限値)を超えると高血圧症の疑いが高くなります。医療機関で測定する血圧はこれよりあと+10mmHgほど余裕をもたせています。
欧米人は今でこそ日本の高血圧基準を採用していますが、つい最近まで日本よりも高血圧症の上限値に対する診断基準がゆるくて上限値が140〜150mmHgを超えた場合に高血圧症と診断される傾向がありました。

ミノキシジル内服に含まれる危険性とは?

厚生労働省がミノキシジル内服薬を承認しない理由は定かではありませんが、一説には動物性蛋白質を積極的に摂取している欧米人の血管は日本人よりも丈夫で高血圧リスクが低いからといわれています。
ミノキシジルは外用薬より内服薬の方が副作用がでやすくまた症状も強くなると言われていて、この国民性の違いがミノキシジル内服薬の国内承認を困難にしているのではないかと考えられています。

ミノタブ(ミノキシジルタブレット)は脱毛症治療薬ではない

ネットで脱毛症治療薬を調べていると度々「ミノタブ」という薬の情報に触れる機会が多いと思います。これはミノキシジルタブレットの略称で、AGAクリニックでも治療に用いているところが多いですね。
しかし、ミノタブの本来の適応症は「高血圧症」です。なぜならミノタブはロノテンのジェネリック医薬品だからです。
ミノキシジル内服薬は外用薬に比べると副作用が強くなるので、脱毛症の治療に使うときは医師の指示にしたがって正しく使用してください。

ミノキシジル内服の副作用

ミノキシジル内服には次のような副作用があります。

  • 全身多毛症
  • 頭痛、意識朦朧
  • 鼻閉感(鼻づまり)
  • ED(女性の場合は不感症)
  • 性欲の低下
  • 低血圧発作
  • 不整脈、皮膚の紅潮
  • かすみ目
  • 末梢神経障害
  • 胸痛
  • 急激な体重増加
  • 手足のむくみ
などです。またミノキシジルにアレルギーがある人は重篤なアナフィラキシーショックを起こす可能性があるので投与することができません。
さらに現在何かしらの持病があり治療を受けている人は必ず主治医に相談してからミノキシジル内服を開始してください。特に心臓疾患、虚血性疾患(脳梗塞や心筋梗塞、血管腫など)、アレルギー性疾患、精神疾患、生活習慣病の治療を受けている人は慎重投与が必要です。

女性がミノキシジル内服を使う場合の注意点

鉄欠乏性貧血、低血圧症、PMS(月経前症候群)、生理不順、不正出血、卵巣嚢腫や子宮筋腫などの出血を伴う女性疾患の既往がある人はミノキシジルの内服投与に慎重を要します。
自己判断で投薬を開始しないで必ず医師の指示にしたがってください。

ミノキシジル内服の服用量

ミノキシジル内服薬(ロノテン、ミノタブ)は国内では承認されていな薬のため、海外製のものが使用されます。高血圧リスクは日本人の方が高いので、自己判断では服用しないで、AGAクリニックや美容皮膚科の医師の指示通りに服用してください。

通販でミノキシジル内服を買うことはできる?

国内未承認薬を個人輸入代行業者の運営するネット通販で購入することは合法的な入手方法なのでミノタブを取り扱うサイトから購入することは可能です。
しかし、個人輸入代行を使う場合には次にあげるようなリスクが伴います。

  • 100%自己責任での購入
  • 医薬品副作用被害救済制度が適用されない
  • 為替の影響を受けるので、薬の値段が一定しない
  • 薬が手元に届くまで10日以上かかることがある
  • 粗悪品にまがいものをつかまされる可能性がある
個人輸入代行業者は口コミサイトや比較サイトを活用して信頼性の高い通販業者を選んでください。

ミノキシジル外用薬との併用

大手フランチャイズのAGAクリニックや美容形成外科などでは独自に調合したミノキシジル内服薬と外用薬を併用することがあるので、併用して発毛効果を高めることは可能です。
しかし、量の調整が難しいので、併用を希望する場合は必ず専門医の診察を受けてください。

ミノキシジル内服薬のまとめ

冒頭の方でもお伝えした通り、ミノキシジルとは本来高血圧の治療薬として開発された成分です。海外ではロノテンやミノタブのような内服薬が流通していますが、これらはあくまでも高血圧の治療薬なので、脱毛症の治療に用いるときは医師の診察を受けてからにしてください。
ミノキシジル内服薬は比較的副作用がでやすく、また強い薬です。日本人は欧米人に比べると高血圧リスクが高いので、いきなり自己判断で内服から始めるよりは市販のミノキシジル外用薬からスタートすることをおすすめします。

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