フィナステリドの女性化について!女性が使う禁忌の理由についても解説

脱毛治療イメージ

AGAの治療を受けた時、ほとんどの医療機関では治療薬としてフィナステリドを主成分としたプロペシア(もしくはプロペシアジェネリック)が処方されます。
日本皮膚科学会が策定している2017年度版(最新版)の「男性型および女性型脱毛症の治療ガイドライン」でもフィナステリド内服治療は最高ランクの推奨度Aを獲得しています。
フィナステリドは副作用リスクも少ないとても優秀な治療薬ですが、「女性」というキーワードと結びつくと幾つかの注意点が出てくるので、今回は知られざるフィナステリドと女性との関係性について紐解いていきましょう。

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フィナステリドとは?

フィナステリドは世界初のAGA治療用内服薬プロペシアの主成分です。もともとは前立腺肥大症やそれに伴う高血圧の治療用に開発されたのですが、治験時に副作用としてAGA改善効果が報告され、その後本格的にAGA治療薬としての開発が始まりました。日本では2005年に厚生労働省が承認しています。
フィナステリドは医療用医薬品の指定を受けているので、一般薬には配合されていません。プロペシアやプロペシアジェネリックを入手するには皮膚科やAGAクリニックで治療を受ける必要性があります。
この薬が承認されたことでAGAは医療機関で治療を受けることが可能という認識が広がったと言ってよいでしょう。

効果について

AGAは進行性なので、治療を始めるとずっと継続していかなければなりません。したがってプロペシア(フィナステリドの薬品名)も継続して飲み続けることが前提です。
1年間フィナステリドを服用した結果、 AGAの治療改善効果を得られたという国内のデータでも70%近くに達していますが、これは非常に高い治療効果を持つ薬ということになります。(海外のデータでは98%に達しているところもあります。)

フィナステリドと男性ホルモン

フィナステリドが作用するのは頭皮や前立腺付近に多く存在している5α-リダクターゼという酵素です。この酵素には育毛効果を持つテストステロンという男性ホルモンを、DHT(ジヒデロテストステロン)という異なる男性ホルモンに変異させる作用があります。
AGAは20代でも10%近い発症リスクがある皮膚疾患ですが、年齢を重ねるごとに発症率が上昇し、50代以降になると患者数が急増します。
これは加齢による基礎代謝の低下から男性ホルモン全体の分泌量が減り、頭皮付近のテストステロンの多くがDHTに変異させられていることを示唆しています。

フィナステリドを服用すると副作用で女性化する?

では、どうしてテストステロンはDHTに変異してしまうのでしょう?それはDHTが主に生殖活動に関与している性ホルモンだからです。
男性ホルモンは主に精巣で作られます。精巣は生殖器官なのでDHTの量が減ってしまうと、精巣や前立腺の機能も低下し、自律神経失調状態を起こす可能性があります。
人が生きていく上で毛髪問題というのは優先順位が低いので、脳は積極的にテストステロンをDHTに変換させるための指令を出すのです。
ところが、フィナステリドを使うと今度はDHTの量が減ってしまいます。多少減ってしまうのは問題ありませんが、減りすぎると男性の女性化現象が発生する危険性が高まります。
男性版の更年期障害と言われているLOH症候群の症例の一つに女性化乳房というのがありますが、これも男性ホルモンが減った結果、相対的に女性ホルモンが優位になり、乳腺が発達して乳房が膨らんでくるというものです。

副作用について

フィナステリドの作用によってDHTが減少すると起こるのは男性の女性化だけではありません。と言ってもこの薬は副作用が起こるリスクが比較的少ないので、国内のエビデンスでは副作用で女性化したという報告はありません。(国際的にみても0.01%以下です)
最も多い副作用は性欲の低下で発症率はおよそ1.1%、次いで多いのはEDで0.7%です。それ以外の副作用は0.1%以下なので過度の心配は無用ですが、どちらの副作用もDHTの減少が少なからず関与している可能性が高いという点は興味深いと思います。

女性はフィナステリドに触るのも禁忌?

フィナステリドは触れただけで皮膚から吸収されていく成分です。生殖機能が未発達の胎児や新生児がフィナステリドの影響で生殖器官に深刻なダメージが残る危険性があると示唆されているので、妊婦や授乳中の女性はプロペシアやプロペシアジェネリックには極力触れないようにしてください。

フィナステリドが女性ホルモンに与える影響とは?

フィナステリドが作用するのは、男性ホルモンを変異させる5α-リダクターゼという酵素です。酵素には一つの働きしかないので、フィナステリドが女性ホルモンに直接影響を与えるということはありません。
したがって女性型脱毛症(FAGA)に対しては効果がないということになります。

フィナステリドの効果が実感できるまでの期間

AGAの治療には長期的な視野が必要です。フィナステリドを服用しても実際に治療効果が実感できるまでには6ヶ月以上の継続投与が必要とされています。
効果をより確実にするには1年以上の服用が必要と言われています。ただし、AGAを長らく放置して完全脱毛を起こしてしまった場合は服薬治療では毛髪は再生しません。
早期発見と早期治療がAGA改善には必須なのです。

飲み方について

プロペシアにはフィナステリドの含有量が0.2mgと1mgの2種類あります。通常AGAの治療で使われるのは1mgの方ですが、服用方法は1日1回1mgまでとなっています。
プロペシアは錠剤なので、コップ1杯以上の水またはぬるま湯と一緒に噛まずに飲み下してください。食事やアルコールの影響をあまり受けない薬なので飲むタイミングは自由ですが、血圧を下げる作用があり場合によっては副作用で眠くなる可能性もあるので、夕食後や寝る前に飲むのがベストだと思います。
一度服用して眠気を感じた場合は日中に服用するのを避けた方が良いでしょう。

フィナステリドと女性についてのまとめ

フィナステリドを飲むと副作用で男性が女性化するというのはあくまでも、可能性の話であって現実的ではありません。もしフィナステリドを服用して女性化乳房などが発生した場合はAGAだけでなくLOH症候群(男性版更年期障害)を発症している可能性もあります。
また女性がフィナステリドを扱う際には本文にもあるように、FAGAの治療効果はないし、皮膚から浸透して何かと面倒臭い問題を引き起こす可能性があるので、極力薬には触れない方が良いでしょう。

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