ミノキシジルの眠気に関する情報まとめ

脱毛治療イメージ

年々増加する脱毛症患者…。あなたもシャンプー後の排水溝を見るのが怖くなることありませんか?
テレビCMや電車の吊り広告などでも脱毛症治療を行うクリニックが目立つようになりました。それほど髪の毛に関する問題は深刻なのです。
脱毛症の中で最も多いのは壮年性脱毛症です。その治療薬として一番使われているのがミノキシジルですが副作用に「眠気」を起こすことがあるというネット記事を見かけますが、本当なのでしょうか?
今回はあまりよく知られていないミノキシジルと眠気の関係性について説明していきます。

ミノキシジルについて

ミノキシジルには高い発毛作用が認められていて、日本では1999年にミノキシジル製剤第1号として大正製薬からリアップが発売されました。
ミノキシジル外用薬の適応症は「壮年性脱毛症」になります。脱毛症には幾つか種類があるのですが、90%以上を占めるのがこの壮年性脱毛症で、男性はAGA、女性の壮年性脱毛症はFAGAとも呼ばれます。

日本で承認されているミノキシジル

治療薬には内服薬、頓服薬、外用薬、注射薬などがありますが、日本で承認されているミノキシジルは外用薬(塗り薬)に限定されています。
濃度は5%以内ですが、5%ミノキシジルを使用するのはAGA(男性型脱毛症)で、FAGA(女性型脱毛症)は1%の使用が推奨されています。
この条件内であれば医療機関で調剤することもありますが、現在5%ミノキシジルと1%ミノキシジル製剤は市販薬として売られているので、セルフメディケーション(医療機関を頼らずに市販薬で治療すること)も可能です。

クリニックで処方されるミノキシジル

医療機関では医師の管理と指導の元に未承認薬が使われるケースがあります。もともと脱毛症治療は保険証が使えない自由診療なので、海外のエビデンスに基づくイレギュラーな処方も可能です。
脱毛症治療専門のクリニックや美容皮膚科ではAGAやFAGAの治療の時にミノキシジル内服薬や6%ミノキシジル(女性の場合は2%ミノキシジル)外用薬が使われるのはこのような背景事情があります。

塗り薬と内服薬の効果について

実はミノキシジルというのは古い医療用成分で1960年代にはすでに商品化されていました。この薬の名前はロノテンです。しかし、ロノテンは高血圧症の治療用薬であって、この飲み薬には脱毛症への適応はありません。
ところが副作用に発毛促進作用が確認され、1980年代にはいってからアメリカで本格的な脱毛症治療薬としての研究開発が進められ、世界初の脱毛症治療薬ロゲイン(2%ミノキシジル配合外用薬)がアメリカで承認されました。
現在脱毛症治療薬のように使われている「ミノキシジルタブレット(ミノタブ)」はロノテンのジェネリック医薬品なので、本来は高血圧症治療薬です。

関連記事ミノキシジル配合の内服薬まとめ!副作用など解説します。

ミノキシジル内服薬

日本では厚生労働省に承認されていないこともあり、一般皮膚科で脱毛症治療を受けても処方される可能性は低いですが、脱毛治療専門クリニックでは積極的に処方されています。
ただし、ミノキシジルは外用薬よりも内服薬の方が効果と副作用が出やすいという傾向があるので投与には慎重を要します。
現在持病があり治療を受けている方や低血圧の方は事前に医師に申告してください。

眠気を起こすのは内服薬の副作用

ミノキシジルには高い血管拡張作用があります。また他の高血圧薬に比べると副作用が出やすいという特徴があるので日本では長らく承認されていませんでした。(発毛作用も当初は副作用の一つ)
当然の話ですが、血管が拡張すると血流が増します。脱毛症を起こしている人は頭皮付近の毛細血管の血流障害を起こしているので、内服のミノキシジルを服用すると急激に頭部の血流が改善されて、次の様な副作用を起こしやすくなります。

  • 頭痛、めまい、立ちくらみ
  • 意識障害、眠気
  • 動悸、息切れ、頻脈
  • 意欲の低下、性欲の低下
  • 急な体重増加
  • 低血圧発作
  • 湿疹、蕁麻疹、皮膚の紅潮
  • のぼせ、多汗、体温上昇
  • 全身多毛症
などです。同じミノキシジルでも皮膚から浸透させる外用薬の場合は副作用がもっとマイルドです。

ミノキシジル外用薬の副作用

ミノキシジル外用薬にも副作用はありますが、現在日本で承認されている最大量の5%配合タイプを使用してもミノキシジルに対するアレルギーでアナフィラキシーショックに近い状態にならない限り「眠気」を起こすような副作用は報告されていません。
5%ミノキシジル外用薬で最も多いのは「頭皮の痒み」と「フケ」で、おおよそ8%の確率で起こるとされています。
1%ミノキシジル外用薬では副作用リスクがさらに低下します。

ミノキシジルの眠気に関するまとめ

ミノキシジルは外用薬でも最大で90%以上の発毛促進効果を発揮する優れた脱毛症治療薬ですが、一方で副作用が出やすいというリスクもあり、日本では内服薬は承認されていません。
海外ではミノキシジルを配合したロノテンという高血圧治療薬のジェネリック医薬品「ミノキシジルタブレット」が販売されていて、それを安易に個人輸入代行で購入し、眠気などの副作用を起こしたという例が増えているので、ミノキシジル内服薬を希望する場合はあらかじめ皮膚科医に相談してからにしてください。

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