育毛剤には医薬部外品や医薬品などいろいろな種類が有りますが、やっぱり気になるのは副作用ですよね?
育毛剤は頭に直接塗布するものなので、副作用には頭皮のかぶれやかゆみ、フケなどの皮膚症状が多いのですが、中にはEDや頭痛などちょっと面倒な症状もあります。
今回は育毛剤を使用していて頭痛を感じるケースについてくわしく解説していきたいと思います。
育毛剤で頭痛を起こす理由とは?
まず育毛剤には大きく分けて3つの種類があるということから説明していきましょう。
- 医薬品:治療目的の薬です。主成分はミノキシジル
- 医薬部外品:薬用も同じ意味です。こちらは厚生労働省が指定した医薬部外品成分が配合されているタイプです。通常は有効成分として2〜3種類配合されていますが、中には5種類ぐらい配合されている商品もあります。
- 化粧品:育毛目的というよりも頭皮のコンディションを整えてヘアサイクルを正常に近づけていくことが目的の育毛剤です。医薬部外品に指定されている成分がごく微量配合されていることもあります。
医薬部外品の場合、医薬品ほど副作用リスクは高くありませんが、こちらもよく使われる指定成分にセンブリエキスがあり、この成分が血管拡張作用をもたらすので、慢性化した片頭痛を持っている方は使用後に頭痛を感じるかもしれません。
化粧品にもハーブや生薬の類で血管拡張作用を持つ成分が微量ですが配合されているため、過剰に使用すると頭痛の原因になることもあります。
また化粧品でも「新成分」や「天然のミノキシジル」などのうたい文句のある商品は国内のエビデンスで副作用や安全性に関するリスクの調査が十分ではないものが多いので、少し注意をしておいたほうが良いでしょう。
頭痛の種類
日本人のおよそ60%が慢性型頭痛を持っていると言われています。そして、慢性型頭痛は大きく分けると3つの種類に分類できます。
- 緊張型頭痛
- 片頭痛
- 群発型頭痛
です。
緊張型頭痛は慢性型頭痛の60%以上を占めるタイプで、片頭痛は女性のおよそ40%が抱えていると言われています。群発型頭痛は男性に多いのですが、慢性型頭痛の1割にも満たないレアケースです。
また、群発型頭痛は積極的な治療を要する症状なので、ここでは割合の多い緊張型頭痛と片頭痛について説明していきましょう。
緊張型頭痛
慢性型頭痛では最も症例数が多い頭痛です。緊張やストレスまたは血流障害などが原因で、筋肉が硬直し、締め付けられるような痛み、しびれるような痛み、ずーんと重くなるような不快感を感じます。
血流が改善すると症状もよくなるので、じっとしているよりも動いたほうが楽になります。
育毛剤には血流を改善する成分が配合されているので、正しく使うことで、緊張型頭痛の予防につながるかもしれません。
片頭痛
慢性型頭痛では緊張型頭痛についで多く、その大半は女性というユニークなタイプの頭痛です。発作の起こり方に特徴があり、頭部の毛細血管が拡張する時に周囲の神経を刺激して痛みとなります。
心臓の鼓動に合わせてズキン!ズキン!と痛むため「拍動性頭痛」とも呼ばれます。
片頭痛の名前の通り、通常は頭のどちらかに症状が集中しますが、ごく稀に左右を問わず発作を起こす症例も確認されています。
予兆や前兆を起こす場合があり、この時は光やにおいに敏感になります。
緊張型頭痛とは逆で動き回ると症状がひどくなるので、薄暗くやや室温が低いところで安静にしておくことが重要です。
アイシングも効果的なので濡れタオルや氷嚢で冷やすと良いでしょう。
重症の方の場合、市販の痛み止めでは効かなくなってくるので、脳神経科など専門医に診察してもらいましょう。
中には緊張型頭痛と片頭痛の両方を持っている混合型頭痛というタイプもあります。
頭痛を起こしやすい成分
緊張型頭痛は育毛剤に配合されている血流改善成分によって症状が落ち着くことが期待できますが、逆に血管が拡張すると発作を起こす片頭痛の場合はこうした成分に注意しなければなりません。
ここでは片頭痛を起こしやすい成分を中心に説明していきたいと思います。
ミノキシジル
壮年性脱毛症治療ではマスト成分となる医療用の成分です。
日本では外用薬での使用のみ承認されていて、AGA(男性型脱毛症)は5%まで、FAGA(女性型脱毛症)は1%までの使用が認められています。
海外のミノキシジル外用薬では女性が使えるタイプでも2%が標準なので、片頭痛を起こしやすい方は注意が必要です。
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外用薬
日本で唯一発毛効果が認められている成分で、壮年性脱毛症の治療時には必ずと言って良いほど処方されますが、厚生労働省が認めているのは外用薬(塗り薬)だけです。
比較的副作用が強い薬ですが、塗り薬の場合ある程度は抑えられています。しかし、片頭痛を持っている方は念のために1%配合タイプを使用することをおすすめします。
内服薬
ミノキシジル自体は非常に古い医療用成分で1960年代後半にはすでに高血圧の治療薬として海外では処方されていました。
その薬名がロニテンです。日本では内服薬が未だに承認されていないのですが、その理由の1つに副作用が出やすい薬だからというのが挙げられます。
代表的な副作用に全身多毛症があり、これが理由で育毛剤の研究が本格化し、世界初のAGA治療薬ロゲインが誕生しました。
しかし、この時も副作用を抑えるためにロゲインは外用薬として開発されています。
今では脱毛症治療専門クリニックで、ミノタブ(ミノキシジルタブレット)が処方されるケースがあるのですが、こちらはロニテンのジェネリック医薬品で、片頭痛を持っている人は副作用リスクが高いので、自己判断での購入は控えた方が良いでしょう。
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デュタステリド
AGA治療薬として日本で2番目に承認された内服薬の成分で、薬名はザガーロです。育毛剤(外用薬)ではないですが、こちらもAGA治療ではよく処方される薬なので紹介しておきます。
もう一種類フィナステリド(プロペシア)という成分がありますが、こちらは副作用が非常に少ないのに対し、ザガーロは効果も高い分、副作用も強めになっています。
男性にしか処方されない薬ですが、男性にも片頭痛発作を持っている人がいるので、そのような場合は投薬医か薬剤師に相談してください。
デュタステリドも元は前立腺肥大症や高血圧の治療薬で、血管拡張作用があります。
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センブリエキス
医薬部外品(薬用)育毛剤には90%以上の確率で配合されていると言っても良いほどの重要な成分です。
センブリエキスにも血行促進作用があるので、片頭痛持ちの方は注意が必要です。
カプサイシン
育毛剤のマスト成分とまではいきませんが、人気のある医薬部外品育毛剤の幾つかの商品に見られる成分です。
唐辛子の辛味成分としてもおなじみで、血管を拡張させる作用があります。また刺激性の物質なので、塗った後にヒリヒリとした刺激を感じることがあるかもしれません。
さらに、急激に頭に血が上るとぼーっとするような熱感を感じ、緊張型頭痛の場合でも発作時と同じような違和感を感じる場合があります。
その他
医薬品の育毛剤は基本的に主成分のミノキシジル+副剤というパターンが多いのですが、医薬部外品は有効成分以外にもいろいろな成分が配合されていることが多いものです。
配合量はごくわずかでも何種類も血流改善成分が配合されていると結果的に片頭痛の発作リスクは高くなるので成分量には注意を払って購入してください。
成長促進因子は大丈夫?
最新の育毛剤では成長因子や幹細胞培養液成分といったいかにも効きそうな成分が配合されています。
ただし、これらの成分はエビデンスが乏しいこともあり、積極的な使用には向いてない成分と言えるでしょう。もう少し様子を見て副作用の情報が揃ってから、購入を判断した方が良いと思います。
特に慢性型頭痛を持っている人は、成長因子が活性化すると頭部の血流がどのように変化するのかが未知数なので、十分に注意してください。
育毛剤と頭痛についてのまとめ
日本人に多い頭痛には緊張型頭痛と片頭痛に大別されると思います。
緊張型頭痛は慢性型頭痛の中でも特に多いのですが、女性に多いのは片頭痛です。
育毛剤に配合されている血流改善成分は緊張型頭痛の緩和にはある程度効果が期待できますが、逆に片頭痛の場合は発作リスクになりかねないので注意してください。
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