フィンペシアで薄毛が減らない?その理由など詳しく解説

脱毛治療イメージ

フィンペシアは世界中でAGA(男性型脱毛症)の治療で用いられている内服薬で、主成分は「フィナステリド」です。日本国内では未承認で、一部のAGAクリニックで処方されている程度なので、通常は個人輸入代行という形で購入します。
主成分のフィナステリドはAGA治療においては主役クラスの薬で、70%以上の治療効果を誇ります。
しかし、ネットではフィンペシアを飲んでも薄毛が減らないという口コミを見かけることがあります。今回はフィンペシアを飲んでも薄毛が減らないのはなぜか?その理由などを詳しく解説していきます。

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フィンペシアとは?

フィンペシアはインドの製薬会社大手「シプラ社」が開発、販売しているAGA治療薬プロペシアのジェネリック薬です。
インドは世界でも有数のジェネリック医薬品大国で、フィンペシア以外にも数多くのジェネリック医薬品を製造しており、品質も高く「国境なき医師団」も採用しているほどです。
現在は使用禁止となったキノリンイエローという色素を使っていない新型フィンペシアがリリースされ、これが現在日本で入手可能なフィンペシアの主流です。(一部のネット通販では旧型が売られている場合があります)
主成分はAGAクリニックや皮膚科で処方されるプロペシアと同じく、フィナステリド1mgです。
フィンペシアは日本では未承認の薬なので、海外製の医薬品を取り扱っている個人輸入代行業者のネット通販を通じて購入することになります。

フィンペシアの効果

男性ホルモンの量は20代をピークにしてあとは減っていく一方なので、AGA(男性型脱毛症)は年齢を重ねるごとに発症率が上昇していきます。50代では40%以上、60代になると60%以上の人がAGAを発症するという統計が出されています。
フィンペシアの効果は「AGAの進行を遅らせて、ヘアサイクルを正常な状態に近づける」ことです。
つまり、AGA治療薬ではありますが、フィンペシアに発毛効果はありません。現状を維持しながらテストステロンが毛根に届けられるのを助けるという効果です。
ただし、治療効果は非常に高く、日本国内でも60%〜70%の割合で薄毛の改善効果が得られたというデータが公開されています。(海外のエビデンスでは98%に達しているところもあります)

フィンペシアはクリニックで処方してもらかネット通販で購入する薬

厚生労働省ではフィンペシアの主成分シルデナフィルを「医療用成分」として承認しています。医療用成分を配合した薬は一般薬とは異なり、医療機関でのみ取り扱うことができる薬のカテゴリーです。
したがって、フィンペシアを入手するには医療機関で処方箋を出してもらうか、院内処方で出してもらうかのいずれかとなります。
ただし、フィンペシア自体は日本では未承認の薬なので、取り扱っているクリニックはごく限られています。
その点、ネット通販ならば処方箋も必要なく、価格も処方してもらうより安いので、過去にプロペシアかプロペシアジェネリックを服用した経験があり、副作用が出なかったという方ならばフィンペシアをネット通販で購入するという方法が一番てっとり早い方法です。

フィンペシアで薄毛が減らない理由について

フィンペシアについていろいろ調べていると時々「薄毛が減らない」という口コミが書かれていることがあります。
フィンペシアの治療改善効果は日本人の場合およそ60〜70%と言われているので治療薬としては効果が高い方なのですが、どうして薄毛が減らないのか、その理由についてケース別に解説してきましょう。

そもそも抜け毛は毎日発生している

AGA治療というのは「ヘアサイクルを正常な状態に近づけていくこと」が目的です。ヘアサイクルとは毛髪が生え変わるサイクルのことで、健康な頭皮と毛髪ならば4年から6年の周期で生え変わりが起ります。
健康な毛髪が一定の量に見えるのは抜けていく髪の毛の量と生えてくる髪の毛の量がほぼ一致しているからです。
つまり、健康な頭皮と毛髪でも毎日抜け毛は起こっているので、フィンペシアを飲んでいるからといって100%薄毛がなくなるということはありません。

AGA治療には最低でも3ヶ月以上の期間が必要

AGA治療は早い人であれば3ヶ月程度で治療効果が出てきます。しかしAGAは進行性なので、継続的な治療が必要です。
日本におけるフィンペシアの治療効果は6ヶ月以上連続投与した場合で検証されていますので、飲み始めてすぐに薄毛が減るというわけではないことを覚えておく必要があると思います。

併用している育毛剤の作用で初期脱毛を起こしているかも?

AGAは5α-リダクターゼによって育毛作用のあるテストステロンの量が減ってしまうことで起こるので、毛根が栄養障害を起こしていると言えます。
こうして弱ってしまった毛根は育毛ケアやAGA治療によってヘアサイクルが正常化していく途中で追い出されて、新しく丈夫な毛根を作ろうとする作用が起ります。
フィンペシアには発毛効果がないのですが、AGA治療では発毛を促すミノキシジル外用薬を併用するので、「弱い毛根を追い出して早く丈夫な毛根を再生させよう」とする働きが起り、「初期脱毛」と呼ばれる好転反応のような症状が発生します。
これはフィンペシアやミノキシジルの副作用ではなく、頭皮環境が正常化している証拠なので初期脱毛が起こっても治療は継続します。

フィンペシアが効かないAGAとは?

フィンペシアが作用するのはII型5α-リダクターゼです。AGAの原因物質となるのはほとんどのケースでII型なのですが、稀にI型5α-リダクターゼ由来のAGAも存在します。
このケースではフィンペシアが作用しないため、薄毛は減りません。I型5α-リダクターゼ由来のAGAに対してはデュタステリド(薬品名ザガーロ)が投与されます。

生活習慣が乱れている

薄毛は生活習慣が乱れていても起ります。頭皮も皮膚の一部なので食生活が乱れてしまい、栄養バランスが悪くなると新陳代謝が鈍り、薄毛が増えるのは当然といえば当然ですね。
同様に運動不足や睡眠不足、ストレス過多も肌のコンディションを悪くする原因なので、フィンペシアを飲んでも生活習慣が乱れていては効果が半減してしまう可能性があります。
実際にAGA治療の現場では生活習慣の改善指導も行われているので、出来る範囲から生活習慣を改善していきましょう。

ミノキシジルとの併用がスタンダード

日本皮膚科学会が策定する薄毛治療のガイドラインではフィンペシアの先発薬プロペシア(またはザガーロ)の内服と5%ミノキシジル外用薬がAGA治療における推奨度Aランクの治療法になります。
ミノキシジルには発毛効果が認められているので、フィナステリド1mgの内服と5%ミノキシジルの外用薬を併用するのが現代のAGA治療のスタンダードです。

副作用について

フィンペシアのように特定の酵素にしか作用しない薬を「酵素阻害剤」といいます。酵素阻害剤は体内の他の物質には影響をもたらさないので副作用が少ないというメリットがあります。
ただし、医薬品なので副作用がゼロではありません。
日本国内でフィナステリド1mgを服用した場合の副作用は主に2つ

  • リビドー(性欲)の低下:およそ1.1%
  • ED:0.7%〜0.8%
が報告されています。どちらも男性ホルモンの作用に関係している症状なので、フィンペシアを服用した結果、DHTの減量が副作用発症の原因になったと考えられます。
それ以外にもごく稀(0.001%以下)にフィンペシアに対するアレルギーで起こるアナフィラキシーショックがあり、呼吸困難、動悸、息切れ、全身浮腫、湿疹などが起ります。
フィンペシアには特に併用禁忌の薬についても報告はありませんが、血圧に作用する成分なので、何かしらの持病があり治療を受けている方は前もって医師に伝えてください。
なお、女性や未成年には処方できない薬です。

フィンペシアと薄毛の関係についてのまとめ

抜け毛というのはたとえ脱毛症を発症していなくても起こり得る自然な生理現象です。髪の毛には寿命があり、順番に抜けていくものだからです。
しかし、加齢や生活習慣の乱れなどいろいろな要素が重なってAGAなどの脱毛症を起こしてしまうとヘアサイクルが乱れ生えてくる毛の量よりも抜けていく量の方が多くなってしまいます。
フィンペシアは優れたAGA治療薬ですが、その効果は「現状維持」です。
薄毛を根本から対策したい場合には生活習慣の見直しと発毛効果のあるミノキシジル育毛剤を併用するのが近道です。

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