フィンペシアは白髪にも効果がある?詳細を解説

脱毛治療イメージ

白髪というのは頭皮トラブルで起こる毛髪の脱色症状ですが、これも医学的には脱毛症の一つということになっています。
男性は中高年になるとAGA(男性型脱毛症)が急増し、半数以上の方が発症すると言われています。
では、白髪が脱毛症ならばAGA治療薬のフィンペシアも白髪に効果があるのでしょうか?今回はそんな気になるフィンペシアの白髪治療効果について詳しく解説していきます。

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フィンペシアについて

フィンペシアはインドの製薬会社大手「シプラ社」が開発、販売しているAGA治療薬プロペシアのジェネリック薬です。
インドは世界でも有数のジェネリック医薬品大国で、フィンペシア以外にも数多くのジェネリック医薬品を製造しており、品質も高く「国境なき医師団」も採用しているほどで、薬の品質は日本や欧米と変わりません。
現在は使用禁止となったキノリンイエローという色素を使っていない新型フィンペシアがリリースされ、これが現在日本で入手可能なフィンペシアの主流です。(一部のネット通販では旧型が売られている場合があります)
主成分はAGAクリニックや皮膚科で処方されるプロペシアと同じく、フィナステリド1mgです。
フィンペシアは日本では未承認の薬なので、海外製の医薬品を取り扱っている個人輸入代行業者のネット通販を通じて購入することになります。

フィンペシアはこうしてAGAを治す

脱毛症というのは民族性や地域性がある皮膚疾患だと言われているのをご存知でしょうか?例えばAGAには幾つかパターンがあって、日本人に多いのはM字ハゲ、ついでO字ハゲなのですが、西洋人(特に白人)にはO字ハゲが最も多いと言われています。ラテン系もM字ハゲの印象が強いですよね。
これはAGAの原因物質「5α-リダクターゼ」という酵素の分布が民族や地域によって異なるからだと考えられています。
ただ、どうしてそうなるのかは未だ解明されていませんが、日本人やラテン系の男性は額の生え際にこの酵素が集中しているので、M字ハゲが多くなるという仮説が有力視されています。
そしてフィンペシアはこの原因物質「5α-リダクターゼ」の働きを無効化して症状の進行を食い止めるための治療薬です。

実はフィンペシアに白髪を治す効果はない?

それではここでAGAを正しく知るために、原因物質の5α-リダクターゼがどうしてAGAを引き起こしてしまうのかを説明していきましょう。
まず、5α-リダクターゼなどの酵素は人が生きていく上で欠かせない物質なのですが、働きは1つしかありません。そして、5α-リダクターゼのたった一つの働きというのは男性ホルモン「テストステロン」をDHT(ジヒデロテストステロン)という別の男性ホルモンに変異させることです。
フィンペシアは5α-リダクターゼに作用する薬なので、効果というのは「テストステロンがDHTに変異するのを防ぐ」ことになります。

男性ホルモンとAGA

男性ホルモンが多いとハゲになる…。実はこの話は真っ赤な嘘です。男性ホルモンにもいろいろな種類があり、一つの性ホルモンには数百種類もの働きがあります。
テストステロンは集中力ややる気の向上など脳の中枢神経に働きかける作用が多いので脳の付近にたくさん存在しています。そしてこのホルモンには「育毛作用」があるのです。
つまり、私たちの毛髪が元気に伸びるのも男性ホルモンのおかげなんですね。かたやDHTは主に男性の生殖活動に関与しているホルモンです。
どちらも男性にとっては非常に重要なホルモンなのですが、DHTが減少してしまうと男性ホルモンを作り出す精巣の機能が低下してしまい、男性ホルモンの全体量が少なくなってしまいます。
それを防ぐために脳はテストステロンを使って、どんどんDHTに変異させる必要があるのです。

テストステロンの黒髪効果は解明されていない

テストステロンに育毛効果はあるのですが、黒い色はメラニンという色素で、これは頭皮の奥や毛母細胞内にあるメラノサイトという細胞が作り出すものです。
この辺りはまだ完全に解明されていないのですが、テストステロンとメラノサイトには何らかの因果関係がある可能性が示唆されているだけで、テストステロンが増えると黒髪になるとか肌の色が黒くなるという根拠はありません。
したがってフィンペシアを服用してテストステロンの量が増えても必ずしも白髪が改善するという医学的な根拠はないのです。ただし、育毛効果があるということは毛母細胞内のメラノサイトに働きかける作用があるのではないか?という仮説も立てられています。

年齢と男性ホルモン分泌量の関係

人の性ホルモン分泌量は男女共20代をピークにしてその後は減少の一途をたどります。テストステロンも非常に重要な働きをするホルモンなのですが、DHTが減少してしまうと、精巣の働きが鈍り男性ホルモン全体量が不足して、LOH症候群という男性版更年期障害を発症してしまうリスクが高まります。
加齢によって性ホルモンの分泌量が低下していくのは自然な現象ですが、それによって心身に不具合を起こすのはやはり病気ですから、脳はテストステロンを減らしてでもDHTの量を維持しようとします。

ミノキシジルを併用したら白髪には効果的?

日本皮膚科学会が策定しているAGA治療ガイドラインではファイナステリド内服と5%ミノキシジル外用薬が推奨度A(行うことを強く勧める)という位置付けになっています。
実際のAGA治療現場でもフィンペシア+ミノキシジルというのは最初に処方される薬です。
ミノキシジルには高い血管拡張作用があり、発毛効果が認められている成分です。
つまりAGAの標準治療はフィンペシアで症状の進行を食い止め、ミノキシジルで発毛させるということになります。
またAGAは頭皮トラブルなので頭皮の毛細血管が開いて血流が改善すると頭皮環境が整い、不活性化していた毛母細胞内のメラノサイトの再活性が期待できます。
フィンペシアやミノキシジルが直接メラノサイトに働きかけるかどうかは今のところ不明ですが、AGAの標準治療で白髪が改善する可能性は十分に期待できます。

フィンペシアと白髪のまとめ

白髪というのは言ってみれば生気を失った弱い毛髪です。健康な毛と比べてみると色が白いだけでなく細くて弱々しく、乾燥してハリもツヤも失われていますよね。
脱毛症を起こすと毛根が弱り、本来ならば成長していなければならない時期にもかかわらず抜けてしまいます。白髪はかろうじて残っている毛髪という感じです。
AGAは頭皮疾患の一種なので、頭皮環境を改善するとヘアサイクルが元に戻り、脱毛も改善されていきます。フィンペシアはAGAの原因物質を阻害する薬ですが、色素を増やす作用は確認されていません。ただし、ヘアサイクルが正常化すると生え変わってきた髪の毛には黒さが蘇っている可能性が十分に期待できます。

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