現在女性の脱毛症は10%の発症リスクがあると言われています。ところで、女性の脱毛症ですがいろいろな名称で呼ばれているのをご存知でしょうか?
FAGA、ヘアロス、女性型脱毛症、びまん性脱毛症、女性壮年性脱毛症…一般的にこれらは全部同じ病態(病気の状態)を指しています。
しかし、女性の脱毛症はまだ原因や病態が究明されていない謎の多い皮膚トラブルなのです。
とはいえ、医療の世界は日進月歩…2017年に日本皮膚科学会では新しく男性型脱毛症と女性型脱毛症の治療ガイドラインを策定しているので、今回は病名から女性の脱毛症に迫っていきたいと思います。
*…FAGAをファガンと読む人もいますが、医療現場ではAGAから派生した病名という認識で「エフ・エージーエー」とアルファベット表記のまま音読します。
目次
FAGAとは?女性型脱毛症について
FAGAは現在日本語で女性男性型脱毛症と訳されています。…ちょっと何言ってるのかわからない病名ですよね。(笑)
これはAGAが男性型脱毛症なのに対し女性の脱毛症はこれにただFemale (女性)の頭文字を付け足しただけの造語なんです。なので日本語では不自然になってしまいます。
皮膚科領域で脱毛症の治療を受けている人は全体の約90%がAGAです。AGAは男性型脱毛症と訳されますが、本来の正式な英語表記はAndrogenetic Alopeciaです。Androgenは男性ホルモン、Alopeciaは脱毛症なので「男性ホルモン由来の脱毛症」というのが正しい日本語訳になるはずなのですが…なぜか男性型脱毛症と訳されています。
そしてこのAGAの日本語訳が女性の脱毛症の病名をややこしくしている原因なのです…。一部の美容皮膚科や美容外科では女性の脱毛症のことを総じて「ヘアロス」と呼んでいます。したがってFAGAはヘアロスと似たような意味で使われています。
日本皮膚科学会での脱毛症病名
日本皮膚科学会では可能なかぎり病名の呼び方を統一しています。男性型脱毛症はAGAがすでに一般的な呼称なのですが、正式な英訳は「Male pattern hair loss」です。これなら「男性型脱毛症」の直訳ですね。
そこで日本皮膚科学会の「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版」では男性型脱毛症の英訳に「Male pattern hair loss」と「Androgenetic Alopecia」の両方の英訳を採用しています。
一方の女性型脱毛症は2017年に正式に採用された新しい病名です。今の所日本皮膚科学会では「Female pattern hair loss」を採用しています。女性の脱毛治療を行っている美容外科や美容皮膚科では「Hair Loss」という病名を使うのも、このガイドラインに沿った呼び方というわけです。
では、男性の脱毛症をAGA、女性の脱毛症をHair Lossにすれば解決じゃん!なんですが…、そうすんなりとはいかないのが病名のディープな世界…。
今後の展開としてはヘアロス、もしくはFAGAが有力?
今現在脱毛症の治療を行っている医療機関では、女性の脱毛症で用いる病名として、「びまん性脱毛症」、「ヘアロス」、「FAGA」が拮抗しています。
今後の皮膚科学会の動向次第ですが、おそらくAGAがすでに男性型脱毛症として広く認知されているので、それに対応させるためにも女性型脱毛症を「FAGA」と表記しても「差し支えない」となることが考えられます。
脱毛症治療は自由診療なので、国に医療費請求が行われません。こうした背景から医療機関ごとに別な呼称を採用することで特に問題視されることはありませんが、女性型脱毛症にもガイドラインが策定されたので、過去の事例をみても統一的な呼び方になっていくのが通例です。
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関連記事育毛サプリの市販でおすすめな商品!効果や値段について解説
FAGAは抜け毛や薄毛よりも深刻?
では現在一般的に用いられている女性の脱毛症を列記してみましょう。
- びまん性脱毛症:「びまん」というのは全体的に広がるという意味の医療用語です。女性に最も多いのがびまん性脱毛症ですが、男性にもびまん性脱毛があり、これだけでは女性に限定することができません。
- Hair Loss(ヘアロス):これはよく聞く女性の脱毛症名ですが、男性型脱毛症も「Male pattern hair loss」が日本皮膚科学会で採用されているので、一様に女性の脱毛症を指す病名としては苦しいですね。(事実欧米では男性の脱毛にもHair lossを用います)
- FAGA(女性男性型脱毛症):日本語訳にすると最も意味不明ですが、AGAに対してFAGAを使うというのはわかりやすいですね。
- 女性壮年性脱毛症:これは40代以降の女性に起こるFAGAやびまん性脱毛症を統合した病名で、リアップでは壮年性脱毛症を病名として採用しています。ただし、若年性女性型脱毛症もあるので、この病名に集約させるのも難しいですし、現在日本ではアルファベットの頭文字を使った病名化という流れがあるのでこれも現実的ではありません
FAGAクリニック
本来FAGAは頭皮疾患なので一度は専門の医療機関に相談した方が良いと思います。ここではmelbyおすすめのFAGAクリニックを紹介しましょう。
湘南美容クリニック
女性のトータルの美をサポートする実績のある美容外科が湘南美容クリニックです。美容に関するいろいろな治療を受けることができますが、FAGAの治療も行っているので一度相談してみてはいかがでしょう?こちらは知名度とクリニック数では全国トップクラスです。
四谷ローズクリニック
脱毛症治療の実績数が多いことで知られるのが四谷ローズクリニックです。通常のFAGA専門クリニックと違うところは毛穴に複数の育毛成分を配合した薬液を直接注入していく「HAAG療法」をメインとしたクリニックであるという点です。
昨今AGAやFAGAクリニックではオリジナルの薬液注入法(メソセラピーなど)が行われていますが、HAAG療法は国際的にも認めらている脱毛治療法です。
FAGAの治療にはリアップジェンヌがおすすめ
日本皮膚科学会が策定している「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版」では、女性の場合FAGA(女性型脱毛症)の治療には、1%ミノキシジル外用薬の使用が一番推奨度の高いAランクを獲得してます。
しかし、ミノキシジルには1%製剤と5%製剤があり、大塚製薬から出ているリアップシリーズ以外で有名なスカルプDメディカルミノキ5やロート製薬のリグロEX5はいずれも5%ミノキシジル製剤なので、女性は使うことができません。
リアップシリーズからは女性向けの「リアップジェンヌ(1%ミノキシジル)」がリリースされているので、今の所メジャーな製薬会社が出しているFAGA治療薬はこれ一択ということになりますね。(大手ドラッグ会社のPVなら他にも種類があるかもしれません)
関連記事ミノキシジルは女性も使える?またホルモンに与える影響とは?
FAGAには白髪も含まれているって知ってる?
女性の脱毛は男性と違い全脱毛を起こすことはごく稀です。多くの場合、頭頂部から症状が広がり次第に頭部全体に及んでいくのですが、毛が細く弱々しくなることと、ハリやコシがなくなりボリューム感が減ること、そして白髪が増えるという特徴があります。
特に白髪が増えて悩む方が多いですね。白髪染めは髪を傷める可能性があるので、できれば「ブラックサプリEX」や「黒椿」のような白髪サプリメントを飲んで黒髪を取り戻しましょう。こうした白髪サプリには美容によい成分も含まれているのでおすすめです。
FAGA(女性型脱毛症)にはAGA治療薬が使えません
では、どうしてそもそもFAGAなる病名が使われだしたのか?これには諸説ありますが、有力な説は2つです。
一つはこれまでにも述べてきた通り、AGAに対してFemaleの頭文字を追加しただけの単純な理由。
そしてもう一つはあくまでも海外の治験例においてという前提ですが、AGA治療薬のフィナステリドを女性の脱毛症に投与した結果、少数ながら改善が見られた症例があったこと…です。
ただし、現在の女性型脱毛症の治療ではAGA治療薬を使用することが推奨されていないので医療機関でもフィナステリド(プロペシア)やデュタステリド(ザガーロ)が女性に投与されることはありません。日本国内では女性への臨床治験投薬例も報告されていないのです。
AGA治療では高い効果をあげているAGA治療薬を女性には投与できないので、FAGAを正式病名に使いづらいという現実があるんですね…。
似たような具体例は他にもあります。男性版の更年期障害をLOH症候群と呼ぶようになったことです。これもHRT(ホルモン補充療法)がLOH症候群の治療では認められていないからです。
ただし、HRTが更年期障害では保険診療なのに対して、脱毛症治療は男女共自由診療なのでそこまで厳密な病名が求められることはないでしょう。
AGA治療薬を女性に投与できない理由とは?
AGA発症の原因は頭皮付近のテストステロンという男性ホルモンが5α-リダクターゼという物質によってDHT(ジヒデロテストステロン)に変異することで起こります。
プロペシアやザガーロなどのAGA治療薬は5α-リダクターゼの働きを邪魔してDHTの生成を減らし、AGAの進行を食い止めるという薬です。
一方女性の脱毛症(FAGA)は女性ホルモンのバランス異常によって引き起こされると考えられています。(ただし全容は解明されていません)
女性にも微量ながら男性ホルモンが分泌しているので、男性ホルモン由来の脱毛症の存在は否定できませんが、5α-リダクターゼはテストステロンにしか作用しない物質なのでAGA治療薬はほぼ効かないということになります。
それに副作用リスクも高いので、女性へのAGA治療薬は禁忌(使用できない)とされています。
FAGA(女性型脱毛症)の治療薬
それではFAGA治療薬はないのでしょうか?…実は存在します。
「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版」では1%ミノキシジル外用薬の有用性が報告されています。
そして海外には「パントガール」という治療薬があり、これが一部の脱毛専門クリニックや美容皮膚科等で取り扱われています。
パントガールについて
パントガールは世界で唯一女性型脱毛症の内服治療薬(飲み薬)として承認されている薬です。しかし、日本では未承認薬なので、購入するには個人輸入代行もしくは取り扱いのある美容皮膚科や脱毛専門クリニック経由で、ということになります。
パントガールは医療用のマルチビタミン剤です。女性ホルモンを調整する作用に優れていて、重篤な副作用も報告されていません。
しかし、日本では同様のビタミン剤を処方箋に基づいて調剤することも可能ですし、女性向けの一般薬で似たような成分の薬(ポポンSや命の母Aホワイトなど)があるので、今後も正式承認される可能性については低いと思われます。
加えて女性型脱毛症は更年期障害の一症状という考え方もあります。更年期障害に対するHRT(ホルモン補充療法)は保険診療可能な治療法なので、婦人科でも特にパントガールの必要性は重視されていないのかもしれません。
ミノキシジル1%外用薬について
ミノキシジル外用薬は日本でも承認されているFAGAの治療薬です。したがって、日本でFAGA治療を受ける時に第一選択肢になるのは1%ミノキシジル外用薬(塗り薬)ということになります。
一般薬のリアップジェンヌ(大正製薬)は女性の壮年性脱毛症治療薬なので、FAGA治療でもリアップジェンヌの使用がすすめられます。
リアップジェンヌ以外の治療薬が欲しいときはミノキシジル1%配合の塗り薬を選ぶようにしてください。今話題のリグロEX5やスカルプDメディカルミノキ5は5%ミノキシジル製剤であり、こちらは女性の使用はNGです。
FAGA(女性型脱毛症)のまとめ
今回はディープな病名の世界のお話でしたが、いかがだったでしょうか?日本語病名は小難しいですが、命名規則がありその病気がどのような病態なのか?を知ることがでる優れものです。しかし、現代は英語病名から頭文字をとって病名化するのがトレンドです。
ネットでもFAGAとうキーワードの検索数が伸びていますが、AGAとは発症原因や治療法が異なるので、セルフメディケーション(医療機関に頼らずに一般薬を活用する自力治療)を行うときは十分注意してください。
CMに起用されているタレントさんのファンだからといって、5%ミノキシジル製剤を使うと強い副作用のリスクが高まるので薬は用法用量を守って適切に使用してください。
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