デュタステリドはAGA治療薬ザガーロの主成分ですが、フィナステリド(プロペシアの主成分)同様前立腺肥大症の治療薬として開発されたものがAGA治療に転用された経緯があります。
フィナステリドと違うのは効果が高くAGA治療と前立腺肥大症が同量のデュタステリドで行えてしまうため、サイトでは海外製の安いアボダートジェネリックをザガーロジェネリックとして紹介されていことがあるという点です。
今回紹介するデュタスはAGA治療薬なのでしょうか?それとも前立腺肥大症治療薬?また効果やミノキシジル外用薬との併用についても説明していきます。
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目次
デュタスとザガーロの違い
デュタスはインド製のデュタステリド製剤ですが、厳密にいえばザガーロではなく、アボダート(前立腺肥大症治療薬)のジェネリック医薬品と言われています。
ザガーロの製造元はGSK(グラクソスミスクライン)という世界でも大手の製薬メーカーなのですが、ここがデュタステリドに関する薬剤特許関連を所有しています。
デュタステリド製剤はまだ薬自体が新しいということもあるのですが、ジェネリック医薬品についてはちょっとばかりややこしくカオスな状態です。
日本国内のデュタステリド製剤
デュタステリドの適応症はAGAだけでなく前立腺肥大症とそれに伴う高血圧です。
日本ではAGA治療薬としてザガーロが承認されていて、こちらはデュタステリドが0.1mgと0.5mg配合されたタイプがあります。
また前立腺肥大症ならびにそれに伴う高血圧治療用薬にアボルブという薬が承認されていて、こちらはデュタステリドの配合量が0.5mgで、保健診療(保険証が使える)の医療用医薬品です。
メーカーはどちらもGSKなので、ザガーロの0.5mgとアボルブは同じ薬ということになります。(カプセルの色が若干異なるだけです)
しかもザガーロは自由診療なのに対し、アボルブは保険証が使える医療用医薬品です。
日本では保険診療と自由診療の区別が厳格なので、皮膚科やAGAクリニックで保険証を使ってザガーロのかわりにアボルブを処方するようなことはできませんが、泌尿器科でアボルブの投与を受けている方がAGAの治療を受ける時は十分に注意をしなければなりません。
フィナステリドに比べるとデュタステリドは副作用リスクが高いからです。したがってアボルブを飲んでいる人は原則としてプロペシアやザガーロは服用できないことになります。
なので、必ず薬の手帳を活用して、治療を受ける時はどんな薬が処方されているのかを事前に医師に伝えてください。
海外のデュタステリド製剤
日本ではアボルブという名称で出されている前立腺肥大症治療用のデュタステリド製剤は海外だとアボダートという名前になります。
アボダートにもデュタステリドが0.5mg配合されていて、GSKが製造・販売している先発薬です。
つまり、ザガーロ0.5mとアボルブとアボダートは全く同じ成分の薬ということになります。
輸入薬を扱う個人輸入代行業者の通販サイトで見るアボダートはあくまでも前立腺肥大症治療薬です。
しかし、アボダートが韓国でAGA治療薬としての承認を受けたことで、ザガーロジェネリックのような扱いを受けている場合があります。
韓国内でアボダートがAGA治療薬として認められた以上、アボダートもAGA治療薬と考えることができるのですが、通販サイトによってAGA治療薬だったり前立腺肥大症治療薬だったりするのはこれが原因です。
インドのデュタステリド製剤事情
インドの場合はさらに事情が複雑です。ザガーロとアボルブとアボダートはいずれもメーカーがGSKなので、ジェネリックではなくそれぞれの症状に即した先発薬です。したがって、製造も販売もイレギュラーではありませんが、インドではまだ国際的な薬剤特許が切れていないのに、インド国内の製薬会社がザガーロやアボダートのジェネリック医薬品を製造・販売し、国がそれを容認しています。
他の薬でも過去には何度か先発薬を開発した製薬会社がインド政府を相手取って訴訟を起こしたことがありますが、インドは世界有数のジェネリック医薬品大国で、品質は先発薬と比較しても劣ることがありません。
また、薬価も安いので、国境なき医師団に無償で薬を提供してきた実績などもあり、グレーなジェネリック医薬品製造が黙認されてきたことも関係しているようです。
したがって国際的にみてもインド製のザガーロもしくはアボダートジェネリックは種類が多く、日本でもいくつかのインド製デュタステリド製剤を購入することができます。
効果
デュタステリドはフィナステリドの改良版と言われている成分です。フィナステリドはII型の5α-リダクターゼにしか作用しないのに対してデュタステリドはI型とII型に作用するので、フィナステリドでは効果のでないAGAに対して処方されます。
また、フィナステリドの半減期が4時間程度なのに対し、デュタステリドの半減期は最大72時間で効果を維持する期間が長いので、1回、2回ならば飲み忘れてもOKという点もメリットです。
単純に効果だけを比較すると、II型5α-リダクターゼの阻害効果はフィナステリドの約3倍で、これにI型の阻害効果も加わるため、フィナステリドでは十分な効果が得られないAGAに対して死傷する薬ということになります。
プロペシアの3倍以上の効果を発揮する薬ならば最初からデュタスを使用したほうが良いという意見もありますが、副作用リスクはフィナステリドの約8倍で、フィナステリドでも70%近い治療効果が得られるため、現在でもAGA治療時に最初に処方されるのはプロペシア(フィナステリド)です。
副作用
デュタスの主な副作用(発症頻度の高い副作用)は主に3つで平均的な発症頻度は17.1%です。その内訳は
- リビドー(性欲)の低下:8.3%
- ED(勃起不全):10,8%
- ED(射精障害):4.2%%
フィナステリドの場合、リビドー低下は1.1%、EDは0.7%〜0.8%以下なので、副作用リスクはデュタステリド製剤の方が高くなります。
服用方法
デュタスの飲み方は1日1回ですが、飲んでからおよそ1.5時間で血中濃度が最大値に達するので、飲み始めてから1時間以内に効果が出てくることになります。
ただし、飲んですぐにAGAが治るということではないので注意してください。
治療効果が実感できるまでには早い人でも3ヶ月以上は服用しなければなりません。
価格
ここでは国内のザガーロ0.5mgとインド製のデュタスの価格を比較してみましょう。ザガーロは自由診療の医薬品なのでデュタス同様参考価格となります。
ザガーロ0.5mg | 30カプセル入り | 9,000円前後 |
---|---|---|
デュタス | 300カプセル入り | 13,000円前後 |
1箱に入っているカプセルの数を考えるとデュタスは激安で購入できるということになります。
ミノキシジル外用薬との併用について
日本皮膚科学会が策定するAGA治療ガイドラインでは
- フィナステリド内服薬
- デュタステリド内服薬
- 5%ミノキシジル外用薬
フィナステリドよりもデュタステリドの方が治療効果は高いのですが、副作用リスクも高いためフィナステリド(プロペシア)の方が優先的に選ばれます。
5%ミノキシジル外用薬は市販薬(リアップX5プラスなど)で購入可能なのでデュタスと組み合わせると自宅で標準治療が行えることになります。
ただし、デュタスは国内のドラッグストアでは購入できないので輸入薬を扱うネット通販で購入することになります。
個人輸入について
個人輸入とは、外国製の製品を個人で使用することを目的として、海外のメーカーなどから個人が直接購入することです。
近年では個人輸入代行業者を利用して輸入する方法も増えています。
リスク
医薬品などを個人輸入した外国製品は、日本国内で世紀に流通している製品と比べて、品質・有効性及び安全性が確認されていないため、保証はありません。
そのため期待する効果が得られなかったり、人体に有害な物質が含まれている可能性があります。
サプリメントや健康食品等でも、医薬品成分が含まれていて健康被害を引き起こす可能性もあります。外国製の医薬品を個人輸入入した場合、副作用被害救済措置の対象外になるので、業者の信頼性を比較サイトや口コミサイトで検討して、正規品が確実に購入できるサイトを利用してください。
個人輸入で外国製の製品を購入する場合は、このようなリスクを把握した上で、十分に注意しましょう!
個人輸入代行業者とは
個人輸入代行業者とは、個人輸入に係る手続きの代行を行う業者です。
注文・支払い・通関・配送などの手配を行ってくれます。
最近では、個人輸入代行サイトを使用して、ネット上で注文を受け付けるサービスも増えていますよ。
デュタステリド製剤デュタスのまとめ
デュタスはインド製のジェネリック医薬品ですが、これがザガーロジェネリックなのか、アボダートジェネリックなのかはいまいち不明です。
主成分のデュタステリドが0.5mgなので、アボダートジェネリックの可能性の方が高いのですが、アボダートも今ではAGA治療に使っている国があるので、AGAのセルフメディケーションを目的に服用しても問題ないと思います。
ただし、デュタステリドはフィナステリドより効果が高い反面副作用リスクも高いので、フィナステリドで効果が実感できなかった場合に服用することをおすすめします
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