デュタステリド製剤アボダート(Avodard)とは?効果などミノキシジル配合の薬用育毛剤について

脱毛治療イメージ

AGAの第二の治療薬と言われているのがザガーロで、その主成分がデュタステリドです。
ザガーロは2016年に承認された新しい薬なので、本来ならばどの国でもジェネリック医薬品ができないはずなのですが、実際には幾つかザガーロジェネリックと呼ばれる輸入薬が存在します。
その中でも特に異色な存在のアボダートについて説明していきます。

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デュタステリド製剤アボダートとは?

現在日本で唯一承認されているデュタステリド製剤はザガーロという薬です。メーカーはGSK(グラクソスミソクライン)という世界的な製薬会社です。
しかし、本来デュタステリドはフィナステリド(プロペシアの主成分)同様に前立腺肥大症改善薬として開発された成分です。
前立腺肥大に対してフィナステリドやデュタステリドを使用することを日本の厚生労働省は承認していませんが、海外では認められています。
前立腺肥大症治療用のデュタステリド製剤がアボダートで、こちらもメーカーはGSKです。

アボダートとプロスカーの違い

デュタステリドはフィナステリドの改良版と言われている成分で、適応症はどちらも同じ、前立腺肥大症、高血圧症、AGA(男性型脱毛症治療)です。
ここで、問題となるのがそれぞれの疾患の因果関係です。前立腺肥大症と高血圧症は非常に因果関係が深いので、同じ薬で治療をしますが、AGAは全く別な疾患とみなされています。
では、ここでフィナステリドとデュタステリドが前立腺肥大症とAGAで使われる時の成分配合量と薬品名について一覧にしてみましょう。

適応疾患前立腺肥大症&高血圧症AGA
フィナステリド5mg0.2mg/1mg
薬品名
(ファナステリド製剤)
プロスカープロペシア他
デュタステリド0.5mg0.5mg
薬品名
(デュタステリド製剤)
アボダートザガーロ

となります。
フィナステリドの場合、前立腺肥大症時の配合量はAGAよりも多いのですが、デュタステリドは同じ0.5mgですね。
そしてメーカーはアボダートもザガーロもGSKなのですから、この二つの薬は名前が違うだけで中身は同じと考えて差し支えありません。
さらにアボダートは前立腺肥大症治療用の先発薬であって、ザガーロジェネリックではないのです。

各国でのアボダートの取り扱い

デュタステリド自体が新しい薬なので本来はまだ薬剤特許が有効であり、ザガーロやアボダートのジェネリック医薬品を他のメーカーが作ることはできません。
ただし、インドは例外(というよりインドの国内法が曖昧)で、インド製のジェネリック医薬品は存在しています。
まぁ、今回はインドのザガーロジェネリックについての話は割愛しますが、このようにザガーロのジェネリック医薬品はごく限定されているということです。その分日本国内での入手もプロペシアジェネリックほど簡単ではないし、選択肢も少ないです。
ところが、本来前立腺肥大症用治療薬のアボダートを唯一AGA治療薬として認めた国があるのですが、それが韓国です。
ちょっとややこしい話ですが、韓国にはAGA治療薬としてザガーロとアボダートが存在しているという状況です。これは世界的に見ても韓国だけの珍しい現象です。
GSKがどうしてその決定を受け入れたのかは不明ですが、中身がザガーロと変わらないのでAGA治療薬として個人輸入できるというわけです。
メーカーが同一ということもあり、輸入薬のアボダートはザガーロより安いのでデュタステリド系の輸入薬では一番人気があります。
日本では前立腺肥大症治療薬としてアボルブ(GSK製)が承認されていますが、これがAGA治療で処方されることはありません。

効果

アボダードはザガーロと同等の薬なのですが、日本語のエビデンスが無いため、ザガーロを例にしてAGA治療効果について説明していきましょう。
ザガーロの主成分デュタステリドはフィナステリドの改良版と言われている成分です。プロペシアに配合されているフィナステリドはII型の5α-リダクターゼにしか作用しないのに対してデュタステリドはI型とII型に作用するので、フィナステリド(プロペシア)では効果のでないAGAに対して処方されます。
また、フィナステリドの半減期が4時間程度なのに対し、ザガーロの半減期は最大72時間と、効果を維持する期間が長いので、1回や2回ならば飲み忘れてもOKという点がメリットです。
II型5α-リダクターゼの阻害効果もフィナステリドの約3倍で、これにI型の阻害効果も加わるため、AGA治療効果は85%以上と報告されています。
プロペシアの3倍以上の効果を発揮する薬ならば最初からザガーロを処方したほうが良いという意見もありますが、副作用リスクはフィナステリドの約8倍で、フィナステリドでも70%以上の治療効果が得られるため、現在でもAGA治療時に最初に処方されるのはプロペシアです。

副作用

アボダートの主成分「デュタステリド」の主な副作用(発症頻度の高い副作用)は主に3つで平均的な発症頻度は総合で16%〜17%前後といわれています。その内訳は

  • リビドー(性欲)の低下:8.3%
  • ED(勃起不全):10,8%
  • ED(射精障害):4.2%%

となります。
フィナステリドの場合、リビドー低下は1.1%、EDは0.7%〜0.8%以下なので、副作用リスクはデュタステリドの方が高いということになりますね。

飲み方

1日1回1カプセルをコップ1杯以上の水で飲みます。カプセルなので噛み砕かないでください。
特に食事の影響を受ける薬ではないのですが、場合によっては眠くなる可能性があるので、寝る前の服用が良いでしょう。
時間を決めて飲むようにすれば飲み忘れの予防にもなります。

ミノキシジル外用薬との併用について

現在のAGAの標準治療はAGA治療薬と5%ミノキシジル外用薬の併用ですが、デュタステリドは副作用リスクが高いので、プロペシアでは効果が出ない時に処方されます。
プロペシア(フィナステリド)1mgならば70%以上の効果が確認されているので、ザガーロ(デュタステリド)がセカンドチョイスになるのは妥当だと思います。
また、デュタステリドの方が効果が高いと言っても、結局は飲み続けなければならない薬で、効果が実感できるまでには、フィナステリド同様に最低でも3ヶ月以上の服用が必要なので、プロペシアジェネリックでは効果が出ない場合のBプランとしてアボダートを選択するのが良いと思います。

個人輸入について

個人輸入とは、外国製の製品を個人で使用することを目的として、海外のメーカーなどから個人が直接購入することです。
近年では個人輸入代行業者を利用して輸入する方法も増えています。

リスク

医薬品などを個人輸入した外国製品は、日本国内で世紀に流通している製品と比べて、品質・有効性及び安全性が確認されていないため、保証はありません。
そのため期待する効果が得られなかったり、人体に有害な物質が含まれている可能性があります。

サプリメントや健康食品等でも、医薬品成分が含まれていて健康被害を引き起こす可能性もあります。外国製の医薬品を個人輸入入した場合、副作用被害救済措置の対象外になるので、業者の信頼性を比較サイトや口コミサイトで検討して、正規品が確実に購入できるサイトを利用してください。

個人輸入で外国製の製品を購入する場合は、このようなリスクを把握した上で、十分に注意しましょう!

個人輸入代行業者とは

個人輸入代行業者とは、個人輸入に係る手続きの代行を行う業者です。
注文・支払い・通関・配送などの手配を行ってくれます。

最近では、個人輸入代行サイトを使用して、ネット上で注文を受け付けるサービスも増えていますよ。

デュタステリド製剤アボダート(Avodard)のまとめ

いかがだったでしょうか?薬の世界は非常に複雑だということがおわかりいただけたと思います。
フィナステリドの時はプロスカーを1/5量服用するのをおすすめしてませんでしたが、アボダートはザガーロと中身とメーカーが同じという点、そして韓国ではAGA治療薬として承認されていることを踏まえれば強力な選択肢になると思います。
国内では前立腺肥大症治療薬としてもアボダートは承認されていないので入手するには個人輸入代行の通販サイトを使うことになります。

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