年々増加しているAGA(男性型脱毛症)の患者数…。日本人男性はおよそ50%がAGAを発症すると言われています。
しかし、AGA治療は保険証が使えない自由診療なので、月々の費用負担だけでも大変ですよね。
そこで、個人輸入代行を使って、海外の安いAGA治療薬を購入し、クリニックに頼らずに自分で治療を行うセルフメディケーションを実践する人が増えています。
今回はインドのシプラ社が開発・販売しているミノキシジル外用薬ツゲイン(Tugain)について調べてみたので参考にしてください。
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目次
ツゲインとは
ツゲインはインドのシプラ社が開発した、AGA治療用外用薬「ロゲイン」のジェネリック医薬品です。ロゲインは世界で初めて認められた、壮年性脱毛症治療薬でアメリカのマクニール社の製品です。
主成分は日本でも「唯一発毛効果が認められている医薬品成分」として知られているミノキシジルで、配合量によってツゲイン10、ツゲイン5、ツゲイン2に分けられます。
末尾の数字はミノキシジルの配合量で、日本では承認されていないミノキシジル含有量の製品もあるので、次のパート以降で詳しく説明していきます。
ロゲインとリアップ
ロゲインは世界初のミノキシジル外用薬で現在はアメリカのマクニール社がライセンスを持っています。(開発当初はアップジョン社)
一方日本では大正製薬のリアップが初めてのミノキシジル外用薬として承認されました。現在も日本国内におけるミノキシジル関係のライセンスは大正製薬が保有しています。(薬剤特許関連は2018年10月に失効しています)
厚生労働省がミノキシジルを正式に承認していることから、一部の個人輸入代行業社のサイトでは外国製のミノキシジル製剤をリアップのジェネリックとして紹介しているところがありますが、日本では認められていないミノキシジル配合量の製品も相当数あります。
また、基本的にミノキシジルを開発したのはアメリカの製薬会社であり、厚生労働省も外国製のミノキシジル外用薬は承認していないので、外国製のミノキシジル外用薬はリアップではなくロゲインのジェネリック医薬品と考えるのが妥当だと思います。
ツゲイン5
日本のAGAの治療時にはミノキシジル5%配合の外用薬(育毛剤)が使用されます。日本で正式に認可されているのはリアップX5プラス(大正製薬)やリグロEX5(ロート製薬)などがあります。
正直、ミノキシジル外用薬はドラッグストアでも購入できる製品なので、セルフメディケーションが可能なのですが、海外製のミノキシジル外用薬は国産よりも価格が安いというメリットがあります。
AGA治療は長期の取り組みが必要なので、価格が安いのは非常にありがたいですね。
5%ミノキシジルを1年間毎日使用することで90%以上の治療効果をあげるということが確認されているので、治療を継続するためにも、国産のAGA外用薬よりも安いツゲイン5を選ぶという選択肢はありだと思います。
ツゲイン5の効果
ツゲイン5には発毛効果のあるミノキシジルが5%配合されています。これは日本皮膚科学会が策定するAGA治療ガイドラインでも「推奨度A(行うことを強く推奨する)」に認定されている成分配合量です。
5%ミノキシジルの治療効果
リアップX5を被験者に長期投与(52週)した結果を医師が評価したものです。
4週間毎に、「著明改善」「中等度改善」「軽度改善」「不変」「悪化」の5段階の評価をまとめています。4週間後にはすでに軽度改善が見られるようになり、8週間後には被験者の1割以上に、12週間後には6割近くに軽度改善が見られました。24週間後、つまり約6ヵ月後からは「軽度改善」「中等度改善」「著明改善」をあわせて、実に9割以上に改善が見られます。
24週間後から「軽度改善」より「中等度改善」の評価の割合が高くなっています。まずは半年、そしてより長く継続することで、改善の度合いも高くなることが期待できそうです。
(引用元:大正製薬リアップX5プラスの発毛効果データ)
禁忌(使用できないケース)
5%ミノキシジルは次のような方には使用することができません。
- 女性
- 未成年
- ミノキシジルアレルギーの方
- AGA以外の脱毛症(円形脱毛症など)
また、現在何かしらの持病があり、治療を受けている方や65歳以上の高齢者は医師に相談の上で本剤を使うようにしてください。
ツゲイン2
ツゲイン2は有効成分ミノキシジル2%配合タイプの育毛剤です。2%ならば女性の壮年性脱毛症(FAGA)でも使用することができます。
日本国内では女性がミノキシジル外用薬を使用する場合、1%までしか認められていませんが、FAGAクリニックでは2%まで独自調合した育毛剤を使用しているところがあります。
市販薬はミノキシジル配合量が1%か5%になるので、FAGAの方はリアップジェンヌよりツゲイン2の方が高い治療効果が望めるということになります。
ツゲイン2の効果
日本ではミノキシジル2%に対する評価やエビデンスがありませんが、FAGAに対して6ヶ月以上1%ミノキシジルを投与した結果毛髪数の増加と太い毛(健康な毛髪)の増加が認められています。
ミノキシジルの性質からいっても、1%より2%の方が高い効果が得られることは十分に期待できると思います。
禁忌
2%ミノキシジルは次のような方には使用することができません。
- 妊婦、または授乳中の女性
- 未成年
- ミノキシジルアレルギーの方
- 壮年性脱毛症以外の脱毛症(円形脱毛症など)
また、現在何かしらの持病があり、治療を受けている方や65歳以上の高齢者は医師に相談の上で本剤を使うようにしてください。
ツゲイン10
ツゲイン10にはミノキシジルが10%配合されています。外国では10%ミノキシジル製剤が使用されることが稀にありますが、日本では副作用のことを考えるとかなりリスキーな使い方になるので、ツゲイン10を使うときは前もって医師に相談されることをおすすめします。
ツゲイン10の効果
海外ではミノキシジル10%配合まで承認されているので、AGA治療用の育毛剤としては現況最強といって良いと思います。
ただし、5%ミノキシジルでも90%以上の治療効果を得られていることと、成分の性質上配合量が増えると副作用リスクも高くなることを考えれば、自己判断で使用するタイプの薬ではないと思います。
禁忌
5%ミノキシジルは次のような方には使用することができません。
- 女性
- 未成年
- ミノキシジルアレルギーの方
- AGA以外の脱毛症(円形脱毛症など)
また、現在何かしらの持病があり、治療を受けている方や65歳以上の高齢者は必ず医師に相談の上で本剤を使うようにしてください。
インド製のジェネリック医薬品の品質について
インドは世界でも5本の指に入る医薬品大国です。特にジェネリック医薬品は世界トップクラスのシェアを誇り、価格の安さと安定した品質で、多くの国々に輸出されています。
日本でも個人輸入代行で入手できる海外製のジェネリック医薬品はほとんどがインド製なので、正規品さえ購入できれば、先発薬(オリジナル薬)と変わらない効果を発揮します。
ツゲインを開発しているシプラ社はインドでも最大手の製薬会社で、AGA治療薬やED治療薬などを中心に日本でも人気の高い薬を開発しています。
完全脱毛について
AGAは「進行性」といって、放置していると症状がどんどん進行し、最終的には毛の再生を制御している毛包という組織ごと消失する完全脱毛を起こしてしまいます。
完全脱毛になると、AGA治療薬では治療不可能なので、早めの対策を講じるようにしましょう。
ツゲインの副作用
ミノキシジル外用薬の最も多い副作用は「頭皮のかゆみ」です。5%配合薬でおよそ8.6%、1%配合薬では1%以下なので配合量が多いほど副作用リスクも高まるということになりますね。
また、ツゲイン10は副作用リスクがかなり高い薬なので注意してください。女性はツゲイン2しか使うことができません。
以下代表的な副作用を一覧にしてみましたので参考にしてください。
- 頭皮のかゆみ
- 頭皮の発赤
- 頭皮のかぶれ
など。
重篤な副作用
薬には必ず「重篤な副作用」というのがあります。一番警戒しなければならないのは主成分のミノキシジルに対するアレルギーです。特にミノキシジルは血管に作用し血圧を急激に下げる働きがあるので以下のような重篤な副作用が考えられます。
- ミノキシジルアレルギー:全身浮腫、意識混濁、昏倒、胸痛発作など
- 皮膚科症状:薬疹、蕁麻疹、湿疹など
- 全身症状:低血圧発作、めまい、頭痛、体温上昇、体重増加、多毛症
- 目の症状:かすみ目、眼痛、眼底出血など
- 精神症状:性欲減退、意欲の低下など
- 神経症状:手足の痺れ、麻痺など
- 循環器症状:胸痛、不整脈、動悸、息切れ、頻脈など
ただし、これらの重篤な副作用が起こる確率はごく稀で発症頻度は不明というものが多いので過度の心配は必要ありません。
飲み薬に比べると外用薬は副作用が出にくいというメリットがあります。
初期脱毛について
AGAの治療は「ヘアサイクルを正常に近づける」のが目的です。ヘアサイクルは髪の毛の生え変わる周期のことで、正常な状態ならば4〜6年で生え変わります。
正常なヘアサイクルでは弱い毛根はいち早く追い出し、新しく健康な毛根を作ろうとします。
AGAとは頭皮環境の悪化で、ヘアサイクルが乱れ、毛根が栄養不足で弱ると発症する頭皮疾患なので、治療を行うと高い確率で弱い毛根が大量に抜けていく「初期脱毛」を起こします。
これは薬による副作用というよりも好転反応のようなものなので、治療は継続しましょう。
ヘアサイクルについて
ヘアサイクルは大きく分けると
- 成長初期
- 成長中期
- 成長後期
- 退行期
- 休止期
に分類されます。髪の毛がもっとも勢いよく伸びているのは成長中期です。壮年製脱毛症(AGAやFAGA)を発症すると成長初期の段階で脱毛を起こします。
ツゲインの使い方
ツゲインは1日2回、1回1mlを脱毛部に塗布してください。計量は添付されているスポイトで行います。
日本のミノキシジル製剤はキャップ部分に液剤が1回分(1ml)たまり、それを直接頭皮に塗布するタイプが多いのですが、ツゲインはスポイトで計量し、それを頭皮に塗布するスタイルです。
計量誤差が専用の計量器よりも大きくなってしまうという欠点がありますが、シンプルな使い方なので初めての方には向いていると思います。
ツゲインの価格
ツゲインと国産のミノキシジル製剤の価格を比較していきましょう。
製品名 | 価格 | ミノキシジル配合量 |
---|---|---|
ツゲイン5 | 3,000円前後 | 5% |
ツゲイン2 | 2,000円前後 | 2% |
ツゲイン10 | 3,000円前後 | 10% |
リアップX5プラス | 7,048円 | 5% |
リグロEX5 | 7,700円 | 5% |
スカルプDメディカルミノキ5 | 7,800円 | 5% |
ラボモヘアグロウミノキシ5 | 6,960円 | 5% |
リアップ | 5,500円 | 1% |
リアップジェット | 3,800円 | 1% |
リアッププラス | 5,239円 | 1% |
リアップジェンヌ(女性専用) | 5,239円 | 1% |
国産のミノキシジル外用薬と比べると価格がかなり安いですね。ただし、個人輸入は為替の影響を受けて販売価格が変わるので、あくまでも参考にしておいてください。
ツゲインとカークランドの比較
ロゲインのジェネリック医薬品として人気があるのはツゲインだけでなく、コストコが販売しているカークランドという製品があります。
カークランドはミノキシジル5%配合タイプを個人輸入代行のネット通販で購入することができます。
価格は若干カークランドの方が安い傾向にありますが、為替によって上下するので、ほぼ同等の価格と性能と考えて良いでしょう。
使い方もスポイトで計量して脱毛部に塗布するというタイプなのでツゲインと変わりません。
ただし、カークランドは10%配合タイプの取り扱いがないので、10%を使いたいという方はツゲインを選ぶことになります。
個人輸入について
個人輸入とは、外国製の製品を個人で使用することを目的として、海外のメーカーなどから個人が直接購入することです。
近年では個人輸入代行業者を利用して輸入する方法も増えています。
リスク
医薬品などを個人輸入した外国製品は、日本国内で世紀に流通している製品と比べて、品質・有効性及び安全性が確認されていないため、保証はありません。
そのため期待する効果が得られなかったり、人体に有害な物質が含まれている可能性があります。
サプリメントや健康食品等でも、医薬品成分が含まれていて健康被害を引き起こす可能性もあります。外国製の医薬品を個人輸入入した場合、副作用被害救済措置の対象外になるので、業者の信頼性を比較サイトや口コミサイトで検討して、正規品が確実に購入できるサイトを利用してください。
個人輸入で外国製の製品を購入する場合は、このようなリスクを把握した上で、十分に注意しましょう!
個人輸入代行業者とは
個人輸入代行業者とは、個人輸入に係る手続きの代行を行う業者です。
注文・支払い・通関・配送などの手配を行ってくれます。
最近では、個人輸入代行サイトを使用して、ネット上で注文を受け付けるサービスも増えていますよ。
ツゲイン(Tugain)のまとめ
AGAは男性の50%近い人が発症する進行性の頭皮疾患です。年齢が高くなればなるほど発症率が上がり、20代でもすでに10%近い発症率なので、自分はハゲないという過信をすてて、早めに対策を立てることが重要です。
ツゲインはAGAの治療で使われるミノキシジルを主成分とした育毛剤です。日本では未承認薬なので個人輸入代行業者が運営するネット通販経由で購入します。
最大のメリットは日本のミノキシジル製剤よりも価格が安いということと、日本では承認されていない2%や10%配合タイプが購入できるという点です。
AGA治療は保険証が使えない自由診療なので、標準治療で使われるミノキシジル外用薬は外国製を選ぶ方が増えています。
ただし、本文にもあるように未承認薬の個人輸入にはリスクが伴い、自己責任での購入ということになります。
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