AGA(男性型脱毛症)は日本人男性の約半数が発症する皮膚疾患です。ところがその治療は保険証が使えない「自由診療」で、治療費は100%自己負担になります。
AGA治療薬と言われている飲み薬「プロペシア」や「プロペシアジェネリック(国産)」は厚生労働省が医療用医薬品として承認しているため、処方箋が無いと購入することができません。
つまり、AGAクリニックや皮膚科をその都度受診しないと処方してもらえない薬ということになります。
AGA治療は少なくとも半年から1年は継続しないと意味がないので、できるだけ投薬にかかる費用負担を少なくしたいですよね…。
そこで今回はインド製のプロペシアジェネリックとして人気のある「フィンペシア」についていろいろと調べてみました。
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目次
フィンペシアとは?
フィンペシアはインドに拠点を持つ「シプラ社」が開発・販売しているプロペシアジェネリックです。日本では海外製のプロペシアジェネリックが承認されていませんが、個人輸入代行業者が運営する通販サイトで購入することができます。
インドは世界でも5位以内に入る医薬品製造大国で、とくジェネリック医薬品に関しては世界でトップクラスの実績を誇っています。そしてシプラ社はインドでも最大手の製薬会社です。
したがって「正規品のフィンペシア」であるならば、国産のジェネリック医薬品と同等の品質の薬が安価で手にいれることができます。
薬の輸入は違法ではない?
まず、みなさんが一番懸念している「未承認薬の個人輸入」に関してですが、こちらは完全に合法な行為なので安心してください。違法とみなされ罰則が適用されるのは以下のような場合です。
- 無許可で「法人」が輸入した場合
- 入手した薬を無許可で他人に譲渡または販売した場合
- 販売若しくは譲渡を目的として大量の薬を購入した場合
フィンペシアの効果
日本で入手できるフィンペシアには主成分のフィナステリド1mg配合タイプがほとんどです。「フィナステリド」はAGA治療薬プロペシア(若しくはプロペシアジェネリック)の主成分です。
プロペシアとフィンペシアの違いは副剤だけなので効果はプロペシア1mgと同等と考えて良いでしょう。
フィナステリドの効果については日本皮膚科学会が公表している「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017年版」に以下のような記述があります。
2年間および3年間の内服継続により,軽度改善以上の効果が各々68%および78%の症例で得られ,その率は増加傾向を示した
(引用元:日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017年版」)
つまり、フィナステリドを飲み続けると、70%〜80%の割合でなんらかの改善効果が見られるので極めてAGA改善効果が高い薬、ということになります。
ただし、注意しなければならないのはプロペシアやフィンペシアを含むジェネリック医薬品はAGA(男性型脱毛症)のみにしか効果がないということです。円形脱毛症やFAGA(女性型脱毛症)に対する治療・改善効果はありません。
フィンペシアは通販で購入できる?
フィンペシアは日本では承認されていない薬なので、薬局や調剤薬局では取り扱われていません。
ただし、院内処方で出すことは可能なので、投薬料の安い一部のAGAクリニックではフィンペシアなど海外製のプロペシアジェネリックを処方するところもあります。
しかし、一般的には個人輸入代行業社が運営する薬の通販サイトを通じて購入することになります。
それでも薬の値段はプロペシアの1/10、国産のプロペシアジェネリックの1/3程度になるので、長期服用しなければならないAGA治療薬の入手先としては有益だと思います。
個人輸入代行利用時の注意点
合法とはいえ未承認薬や海外の薬を個人輸入するときにはリスクが伴います。
- 副作用が出たときは副作用被害救済措置の対象外
- 薬剤情報などは全て自分で管理しなければならない
- 信頼性の高い業者だけとは限らない(偽物や粗悪品をつかまされるリスク)
- 注文してから入手するまでに1ヶ月以上かかることがある
- 為替の影響を受けるので、価格が安定しない
- 海外のブローカーや製薬会社を国内法で裁くことはできない
などです。
フィンペシアの副作用
フィンペシアの副作用はフィナステリドの副作用と同じです。フィナステリド1mgを投与した場合の主な副作用は「リビドー(性欲)の減退、1.1%」、「ED、0.7%前後」です。
その他にも深刻な副作用としてフィナステリドにアレルギーを持つ人が起こしやすい「アナフィラキシーショック」があります。これには「呼吸困難」、「全身蕁麻疹」、「全身浮腫」、「動悸」、「易疲労感」などの全身症状が複合的に起こる危険性がありますが、発症頻度は0.001%未満とごく稀なケースです。
これらの副作用以外にも服用時に身体異常を感じたら、服用を中止して医師に相談してください。
フィンペシアの副作用を回避する方法としておすすめなのは、一度AGAクリニックか皮膚科でプロペシアジェネリックを1ヶ月分以上処方してもらい、特に問題がなければフィンペシアに切り替えるという方法です。
このとき利用する個人輸入代行業社は比較サイトなどを活用して信頼性の高いところを選んでください。
フィンペシアとミノキシジルについて
日本皮膚科学会の最新AGA治療ガイドラインではフィナステリド内服とミノキシジル外用薬が推奨度Aランク(行うことを強く勧める)となっています。
実際のAGA治療ではフィナステリド1mg+5%ミノキシジルの処方が標準治療になるので、セルフメディケーションする際もフィンペシア1mgと5%ミノキシジル外用薬の組み合わせがおすすめです。
5%ミノキシジル外用薬は一般薬としても売られているので、ドラッグストアで薬剤師に相談してみてください。なお、ドラッグストアやネット通販で購入できる5%ミノキシジル外用薬は次の通りです。
- リアップX5プラス(大正製薬)
- リグロEX5(ロート製薬)
- スカルプDメディカルミノキ5(ANGFA)
- ラボモヘアグロウミノキシ5(アートネイチャー)
フィンペシアとフィナロイドの違いって?
日本で購入できる海外製のプロペシアジェネリックはフィンペシアだけではありません。最近の傾向としてはインドからの輸入量が不安定なときにはフィリピンの製薬会社が提供しているフィナロイドという薬も人気があります。
どちらも主成分はフィナステリド1mg配合タイプなので、個人輸入代行業社の通販サイトで両方取り扱っている場合は値段で決めてもいいと思います。
フィンペシアを使うと初期脱毛が起こる?
AGAに限らず脱毛症が起こる根本的な原因は頭皮環境の悪化です。頭皮には毛根が埋没していて、毛細血管と接続しています。毛根はこの毛細血管から育毛に必要な栄養を得ているのですが、頭皮環境が悪化していると毛細血管に十分な血液が送られなくなり、毛が弱くなってすぐに抜けていってしまうのです。
一度弱くなってしまった毛根はそこだけに栄養を与えても復活してくれません。頭皮環境が改善するにつれて、弱い毛根は一旦追い出されて、新たに丈夫な毛根がつくられるのです。
つまり、弱くなった時点で毛根は「用無し」になってしまうということですね。育毛剤や育毛サプリには血流を改善する成分や頭皮の炎症を抑える成分が配合されています。
ということは、AGA治療によって頭皮環境が改善されるとそれまであった弱い毛根は積極的に追い出されることになり、脱毛が発生します。これが「初期脱毛」です。
一度に大量の脱毛が起こるので知らないでいると副作用かアレルギーで脱毛が進んだと勘違いしがちですが、治療やケアの効果が出始めている証拠なので、そのまま継続しましょう。
フィンペシアの処方だけでは初期脱毛は起こらない
フィナステリドはAGA治療時のマスト成分ですが、実はこの成分にはテストステロンという男性ホルモンをDHTに変異させる5α-リダクターゼにしか作用しないため、頭皮を改善するという効果が乏しくフィンペシアを服用しているだけでは初期脱毛が起こる可能性は低いといえます。
現在のAGA治療はフィナステリド内服+ミノキシジル外用薬という組み合わせが一番ポピュラーです。
ミノキシジルには高い血管拡張作用があり、頭皮への血流量が上がることで「初期脱毛」が起こりやすくなります。つまり、AGA治療で起こる初期脱毛はプロペシアよりもミノキシジルの効果によるところが大きいということです。
ただし、フィナステリドも血圧に働きかける作用があるので、段階的に頭皮環境が整ってくる可能性はありますが、血流改善効果についてはミノキシジルの方が圧倒的に高いので、治療開始から1〜2ヶ月で発生する初期脱毛はミノキシジルが起こしている好転反応と考えます。
フィンペシアとは?についてのまとめ
保険証が使えないAGA治療薬を長期間服用するのは経済的な負担が大きく、多くの方が個人輸入代行を使ってネット通販で海外製のプロペシアジェネリックを購入します。
日本で一番流通している海外製のプロペシアジェネリックはインドのシプラ社が開発している「フィンペシア」です。
ただし、海外製の薬を個人輸入するのは100%自己責任なので、本文に記載した注意事項などを参考にして正規品を入手するようにしてください。
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