脱毛症の80%〜90%近くを占めているのがAGA(男性型脱毛症)です。しかし一口に脱毛症といってもいろいろなパターンがあり、AGAは特徴的なハゲ方をします。
日本人に最も多いのは額の生え際が交代していく「M字ハゲ」ですが、M字ハゲが起こる原因というのはもう解明されています。
そこで、今回は気になる「M字ハゲ発生のメカニズム」について説明していきたいと思います。
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<マイペース型三重苦のオッサン>
初めまして、ライター歴は6年以上とそこそこ長い五十路のオッサンライターです。melbyでは主に「脱毛」や「育毛」に関する記事を書いていますが、自分の頭も相当ヤヴァイです。
目次
M字ハゲは日本人に最も多いAGAの発症パターン
AGA(男性型脱毛症)とは日本語の病名を見れば分かる通り、男性特有の脱毛症です。発症頻度は非常に高く20代ですでに10%、以後年代を追うごとに発症率も10%ずつ増加していき、50代では40数%、60代になると50%以上の確率で発症する進行性の皮膚病です。
ところで、AGAには特徴的な発症パターンがあるのはご存知ですか?しかも民族によってその発症パターンが異なるという興味深いデータがあるので紹介しましょう。
AGAの発症パターンと民族性
- M字ハゲ:額の生え際が後退していくパターン。日本人に最も多いタイプ
- O字ハゲ:頭頂部から脱毛していくパターン。白人(欧米人)と東南アジアや中国に多いタイプ
- 混合型:M字ハゲとO字ハゲが混在しているタイプ。進行したAGAに多い
- 全頭型:脱毛が頭部全体に及ぶパターン。綺麗なスキンヘッドになることは少ないので、意図的にスキンヘッドにしている人が多い
同じアジアでも東南アジアや中国にはO字ハゲや混合型が多いのは興味深いですね。
AGAは遺伝性の疾患ではないと言われていますが、どうしてこのような発症パターンで分類することができるのでしょう?
AGA発症のメカニズム
AGAは年齢が上がるほど、発症リスクが高まるというのは年代別の発症数の増加から見ても明らかです。また、厄介なことにAGAは進行性疾患で放置していると症状はどんどん進行していきます。
しかし、現在ではAGA治療薬が開発され、かなり高い治療効果をあげています。そしてAGA治療薬は「酵素阻害剤」と呼ばれるタイプの薬で、これが開発されたということはAGAの発症メカニズムは解明されている、ということになります。
では、AGA発症のメカニズムを簡単に紹介していきましょう。
- 加齢や精神的なストレスによって基礎代謝が落ちる
- 基礎代謝の低下によって精巣の機能が低下する
- 男性ホルモンの分泌量が減る
- 頭皮付近のテストステロン(男性ホルモン)が5α-リダクターゼ(酵素)によってDHT(ジヒデロテストステロン)という別の男性ホルモンに変異する
- テストステロンを毛根に運ぶ受容体(レセプター)がDHTを受け取り届けてしまう
- 毛周期が乱れてAGAが発症する
…という流れです。AGA治療薬は原因物質の一つ「5α-リダクターゼ酵素」の働きを阻害する作用があるので「酵素阻害剤」と呼ばれています。
酵素阻害剤は優秀な治療薬
「酵素」という言葉…日常的にも頻繁に耳にしますが、いったいどんな物質かご存知ですか?わかりやすい例として、食べたものが消化吸収される時には「消化酵素」が働き、細胞を活性化させる時には「代謝酵素」が働きます。
しかも酵素には一つの働きしかありません(これを一意の働きと言います)。つまり、5α-リダクターゼという酵素とは「テストステロンをDHTに変異させる」ためだけに働く物質なのです。
したがって5α-リダクターゼ酵素の働きを阻害できれば、頭皮付近のテストステロンはそのまま毛根に運ばれていき、「毛髪を丈夫にする」ために消費されていくので、AGAの発症や進行を食い止めることが可能になります。
酵素阻害剤はピンポイントで原因物質の働きを抑制するので、高い治療効果を上げることができます。また、他の物質に与える影響が軽微なのでアナフィラキシーショック(薬剤性ショック)のような深刻な副作用を起こしづらいというメリットがあります。
そして、女性の脱毛症は女性ホルモンのバランスの乱れが原因と考えられていて、5α-リダクターゼ酵素はあまり関係ないため、AGA治療薬では女性の脱毛に対する治療効果が期待できないことになります。
AGAの脱毛パターン
AGA治療薬が開発されたことでAGAの研究は一気に進みます。そしてその研究の結果、AGAは遺伝性の疾患ではないことが明らかになりましたが、頭皮付近の5α-リダクターゼ酵素の分布状態には地域的な偏りがあり、これには遺伝が関与していることが判明したのです。
5α-リダクターゼの分布状態を調べた結果、日本人は額付近に多く存在していて、欧米人は頭頂部に多く存在しているということがわかりました。こうして、先に述べたような発症パターンの分類が可能になったのです。
つまり、今はまだ大丈夫でも5α-リダクターゼの分布状態を調べれば将来的にどこから脱毛が始まるかの予想をつけることも可能ということですね。
改善方法
M字ハゲになるということはAGA(男性型脱毛症)を発症していることが強く疑われます。AGAは20代ですでに10%の男性が発症リスクを抱えていて、以後30代で20%、40代で30%、50代になると40%以上、60代は60%以上の人が発症します。
つまり、男性であれば年齢を重ねるごとに発症率が飛躍的に上がるので、予防・改善には早めの対策が必要ということになります。
AGAクリニックを受診
そのM字ハゲがAGAかどうかを見極めるのに一番確実なのはAGAクリニックを受診することです。一般皮膚科でもAGA治療は可能ですが、専門クリニックの方が診断の精度が高く料金も安め、土日祝日も診療に対応してくれる、治療の選択肢が多いなどのメリットがあります。
育毛剤
少し薄毛が気になりだしたけど、まだ医者に見せるほどではないかも?という方は薬用育毛剤の使用をおすすめします。ただし、脱毛は年齢が上がるごとに発症率が高まるので、一度育毛ケアを始めたら半年は継続するつもりでとりかかってください。
また、育毛剤の効果が出始めると、頭皮は弱い毛根を追い出して新しく健康な毛根を作ろうとするため、一時的に大量の脱毛が起こる場合があります。これを「初期脱毛」と言います。
初期脱毛を起こして育毛ケアをやめてしまう方が非常に多いのですが、これは育毛剤の効果が出始めているからこそ起こる好転反応なので中止しないでください。
育毛サプリ
育毛にとって生活習慣の乱れは大敵です。特に食生活が乱れて栄養が偏ってしまうと頭皮の新陳代謝が落ち、一気に脱毛へと突き進むことになります。
食生活が乱れがちな人は育毛サプリで不足しがちな栄養素を補うことをおすすめします。ただし、できるだけ食事はちゃんと食べてください。
似合う髪型
M字ハゲは男性にとって大きな悩みの一つですが、髪型を見直すことでストレスから解放される場合もあります。ここではM字ハゲに似合う髪型についてまとめてみたので、参考にしてください。
ベリーショートや坊主頭
ここ数年ハリウッドや日本の男優さんやモデルの多くが坊主頭をファッションとして取り入れてますね。女性から見ても男性はロン毛よりも短髪や坊主の方が清潔感があって好まれます。
ソフトモヒカン
M字ハゲは額の生え際が後退していきます。M字ハゲから全頭ハゲに移行するのはレアなケースです。大抵はある程度進行したら脱毛は止まります。
そこで、左右を借り上げたソフトモヒカンにすれば脱毛班(脱毛を起こしている部位)は目立たなくなります。ソフトモヒカンなら営業職などでも問題はありませんよね。
金髪に染める
髪の毛をできるだけ短くして金髪に染めるとM字ハゲが目立たなくなります。染髪が許されるかどうかという問題は残りますが、日本人の肌の色は黄色味がかっているのでマットな金髪は肌の色に馴染み、脱毛が隠されるんです。
カラーリングをすると髪の毛にダメージを与えるので、AGAが進行してしまう可能性がありますが、思い切ってイメチェンしたいときはいいかもしれません。
M字ハゲになる原因や改善法のまとめ
このAGA発症パターンの解析が可能になったことで、AGAは見た目で確定診断することが可能になり、検査費用などのコストをかけなくて済むようになりました。
AGA治療は保険証が効かない自由診療なので、画像診断や検査の費用をかけずに診断可能になったことは治療費削減につながることになり非常に大きな意味を持ちます。
あなたも、もし額が後退してきたかな?と心配しているなら、それはAGAの可能性が大きいということです。早めに皮膚科かAGAクリニックに相談しましょう。
セルフケアを始めるのなら30代が一番適していると思います。
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