デュタステリドで抜け毛が減らない?その理由など詳しく解説

脱毛治療イメージ

デュタステリドは世界中でAGA(男性型脱毛症)の治療で用いられている内服薬「ザガーロ」の主成分です。日本では2015年に厚生労働省に承認され、皮膚科やAGAクリニックなどで処方されています。
このようにAGA治療においては主役クラスの成分で、85%近い治療効果のある薬です。
しかし、デュタステリドを飲んでも抜け毛が減らないという口コミを見かけることがあります。今回はデュタステリドを飲んでも抜け毛が減らないのはなぜか?その理由などを詳しく解説していきます。

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デュタステリドとは?

デュタステリドは世界初のAGA治療用内服薬プロペシアの主成分です。海外ではもともと前立腺肥大症やそれに伴う高血圧の治療用に開発されたのですが、日本では最初からフィナステリドの次を担うAGA治療薬として開発されました。
デュタステリドは医療用医薬品の指定を受けているので、一般薬には配合されていません。ザガーロを入手するには皮膚科やAGAクリニックで治療を受ける必要性があります。

デュタステリドの効果

男性ホルモンの量は20代をピークにしてあとは減っていく一方なので、抜け毛は年齢を重ねるごとに発症率が上昇していきます。50代では40%以上、60代になると60%以上の人がAGAを発症するという統計が出されています。
デュタステリドの効果は「AGAの進行を遅らせて、ヘアサイクルを正常な状態に近づける」ことです。ということなので、AGA治療薬ではありますが、デュタステリドに発毛効果はありません。現状を維持しながらテストステロンが毛根に届けられるのを助けるという効果です。
ただし、治療効果は非常に高く、日本国内でも85%の割合で抜け毛の改善効果が得られたというデータが公開されています。

デュタステリドはクリニックで処方してもらう薬

厚生労働省ではデュタステリドを「医療用医薬品」として承認しています。医療用医薬品は一般薬とは異なり、医療機関でのみ取り扱うことができる薬のカテゴリーです。
したがって、デュタステリドを入手するには処方箋を出してもらうか、院内処方で出してもらうしかないので、医療機関で診察を受ける必要があります。
ただし、一般皮膚科でも治療は可能ですが抜け毛治療は保険証が効かない自由診療なので治療にかかる費用は100%自己負担になります。

デュタステリドで抜け毛が減らない理由について

デュタステリドについていろいろ調べていると時々「抜け毛が減らない」という口コミが書かれていることがあります。
デュタステリドの治療改善効果は約85%と言われているので治療薬としては効果が高い方なのですが、どうして抜け毛が減らないのか、その理由についてケース別に解説してきたいと思います。

そもそも抜け毛は毎日発生している

AGA治療というのは「ヘアサイクルを正常な状態に近づけていくこと」が目的です。ヘアサイクルとは毛髪が生え変わるサイクルのことで、健康な頭皮と毛髪ならば4年から6年の周期で生え変わりが起ります。
健康な毛髪が一定量に見えるのは抜けていく髪の毛と生えてくる髪の毛の量がほぼ一致しているからです。
つまり、健康な毛髪でも毎日抜け毛は起こっているので、デュタステリドを飲んでいるからといって100%抜け毛がなくなるということはありえないことなのです。

AGA治療には最低でも3ヶ月以上の期間が必要

AGA治療は早ければ3ヶ月程度で治療効果が出てきます。しかしAGAは進行性なので、継続的な治療が必要です。日本におけるデュタステリドの治療効果は6ヶ月以上連続投与した場合で検証されていますので、飲み始めてすぐに抜け毛が減るというわけではないことを覚えておく必要があると思います。

併用している育毛剤の作用で初期脱毛を起こしているかも?

AGAは5α-リダクターゼが原因で育毛作用のあるテストステロンの量が減ってしまうことで起こるので、毛根が栄養障害を起こしていると言えます。
こうして弱ってしまった毛根は育毛ケアやAGA治療によってヘアサイクルが正常化していく途中で追い出されて、新しく丈夫な毛根を作ろうとする作用が起ります。
デュタステリドには発毛作用がないのですが、AGA治療ではミノキシジル外用薬を併用するので、その作用でこうした「弱い毛根を追い出して早く丈夫な毛根を再生させよう」とする現象が起りますが、これは「初期脱毛」と言われ、好転反応のようなものです。
初期脱毛はデュタステリドやミノキシジルの副作用ではなく、頭皮環境が正常化している証拠なので治療は継続します。

生活習慣が乱れている

抜け毛は生活習慣が乱れていても起ります。頭皮も皮膚の一部なので食生活が乱れて栄養バランスが悪いと新陳代謝が鈍り抜け毛が増えるのは当然といえば当然ですね。
同様に運動不足や睡眠不足、ストレス過多も肌のコンディションを悪くする原因なので、デュタステリドを飲んでも生活習慣が乱れていては効果が半減してしまう可能性があります。
実際にAGA治療の現場では生活習慣の改善指導も行われるので、出来る範囲から生活習慣を改善していきましょう。

ミノキシジルとの併用が一般的な処方

日本皮膚科学会が策定する抜け毛治療のガイドラインではデュタステリド(またはデュタステリド)の内服と5%ミノキシジル外用薬がAGA治療における推奨度Aランクの治療法になります。
ミノキシジルには発毛効果が認められているので、デュタステリド0.5mgの内服と5%ミノキシジルの外用薬を併用するのが一般的な処方です。

副作用について

デュタステリドのように特定の酵素にしか作用しない薬を「酵素阻害剤」といいます。酵素阻害剤は体内の他の物質には影響をもたらさないので副作用が少ないというメリットがあります。
ただし、医薬品なので副作用がゼロではありません。
日本国内でデュタステリドを服用した場合に報告された副作用というのは主に2つ

  • リビドー(性欲)の低下:およそ8.3%
  • ED:10.6%
です。どちらも男性ホルモンの作用に関係している症状なので、デュタステリドを服用した結果、DHTの減量が副作用発症の原因になったと考えられます。
それ以外にもごく稀(0.001%以下)にデュタステリドに対するアレルギーで起こるアナフィラキシーショックがあり、呼吸困難、動悸、息切れ、全身浮腫、湿疹などが起ります。

デュタステリドには特に併用禁忌の薬はありませんが、血圧に作用する成分なので、何かしらの持病があり治療を受けている方は前もって処方医に伝えてください。
なお、女性や未成年には処方できない薬です。

デュタステリドと抜け毛の関係についてのまとめ

抜け毛というのはたとえ脱毛症を発症していなくても日々起こっている自然な生理現象です。
しかし、加齢や生活習慣の乱れなどいろいろな要素が重なってAGAなどの脱毛症を起こしてしまうとヘアサイクルが乱れ生えてくる毛の量よりも抜けていく量の方が多くなってしまいます。
デュタステリドは優れたAGA治療薬ですが、その効果は「現状維持」です。
抜け毛を根本から対策したい場合には生活習慣の見直しと発毛効果のあるミノキシジル育毛剤を併用するのが近道です。

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