中高年の男性を悩ませるのがAGAとEDですね。現在はどちらも治療薬が開発されニーズも高いのですが、実はこの2つの病気は因果関係が深く、AGA治療薬の主な副作用には「性欲減退」があり、服用を間違えると副作用でEDを発症するリスクがあります。
どちらも加齢からくる男性版更年期障害(LOH症候群)の代表的な症状なので、AGAとEDの因果関係を正しく理解して、「育毛を欲張りすぎてEDにならないための対策」に役立ててください。
<マイペース型三重苦のオッサン>
初めまして、ライター歴は6年以上とそこそこ長い五十路のオッサンライターです。melbyでは主に「脱毛」や「育毛」に関する記事を書いていますが、自分の頭も相当ヤヴァイです。
目次
AGA治療薬の副作用に要注意!
AGA治療薬とは頭皮付近に多く分布している5α-リダクターゼという酵素の働きを阻害して、AGAの発症と進行を食い止めるための薬です。このように特定の酵素の働きを阻害する薬を「酵素阻害剤」といい、「高い治療効果」と「リスク(副作用)の軽減」というメリットがある優秀な治療薬です。
しかし、薬には必ず副作用が付きまといます。酵素阻害剤は特定の酵素にだけ作用するため、体内の他の物質に与える影響が少なく、アナフィラキシーショックのように全身症状をおこし、場合によっては命に関わるような重篤な副作用の発生リスクは低いのですが、AGA治療効果が高い分EDを引き起こしやすいというデメリットがあります。
それではAGA治療薬の主な副作用を一覧で紹介しておきますので、参考にしてください。
- 性欲減退
- 意欲の低下
- 集中力の低下
- 頭痛、頭重感
- めまい、耳鳴り
- 起立性低血圧(立ちくらみ)
などです。種類が多いように感じますが、もともとフィナステリド(薬品名プロペシア)は前立腺肥大症やそれに伴う高血圧症の治療薬として開発されていた経緯があり、これらの副作用はフィナステリドの血管拡張作用によって血流量が急激に増すと起こる副作用です。
逆に言えば、薬が効いているからこそ起こりやすい二次的な症状と言えるのです。
AGA治療薬の副作用として「性欲減退」がおこる頻度とは?
臨床的なデータとしてはAGA治療薬(フィナステリドやデュタステリド)の服用で、EDに直結する「性欲減退」が起こるのは1%〜5%の範囲内だと言われています。
数字だけみれば大したことはなさそうですが、100人服用すれば1人〜5人以上の発症頻度であり、AGAは40代以上の男性では40%以上の発症率になるので、発症頻度としては看過できない数字です。
こんな人はAGA治療薬の副作用が出やすい?
AGA治療薬を飲んで副作用がでやすい人には次のような特徴があります。
- 男性版更年期障害(LOH症候群)を発症している人
- 60代以上の男性:年齢が高くなるほど副作用がでやすくなる傾向
- もともと疲れやすく、精力が停滞気味な人
- 生活習慣病を発症している人
- うつや不眠症などの精神疾患を発症している人
他にも他の薬との飲み合わせ(併用禁忌)があり、血流が上昇することで心臓への負担も懸念されるので、なんらかの持病があり、服薬治療中の人は問診時に担当医へ告知するようにしてください。(薬の手帳を活用しましょう)
AGAとEDの発症原因を比較してみよう!
ではAGAやEDが起こっている時に男性の体内ではどのような変化が起こっているのかを探っていきましょう。これが理解できれば、どうしてAGA治療薬の主な副作用にEDがあるのかがわかると思います。
AGA発症までの流れ
AGA発症に関係しているのは主に3つの物質です。それが「テストステロン」と「DHT(ジヒデロテストステロン)」という男性ホルモン、そして「5α-リダクターゼ」という酵素です。
世間では「男性ホルモンが多いと禿げやすい」と言われていますが、実はテストステロンという男性ホルモンには「毛を太く丈夫にする育毛効果」があるので、毛髪には欠かせない重要な物質です。
しかし、加齢や精神的なストレス、生活習慣病などのリスクが重なると全身の基礎代謝が低下し、男性ホルモン全体の分泌量が減っていきます。男性ホルモンには「テストステロン」と「DHT(ジヒデロテストステロン)」という異なる種類が存在し、それぞれに違う働きがあります。
男性ホルモンの働きの違い
性ホルモンには「その個体が生きていく上で必要不可欠な働き」と「種の保存という生物最大の最重要課題」に関する重要な働きがあります。一般的に男性ホルモンと言われているのはDHT(ジヒデロテストステロン)で、生殖活動や抗ストレス作用などがある重要な物質です。
一方育毛に関与しているテストステロンにも幾つかの重要な働きがありますが、生きていく上でより重要なのはDHTの方なので、精巣から分泌されるDHTの量が減ると、頭皮付近のテストステロンが5α-リダクターゼによってDHTへと変異して消費されていきます。
AGA治療薬の副作用リスクのEDは仕方ない?
このため、加齢やストレスなどによって男性ホルモン全体の分泌量が減ると、DHTを確保するためにテストステロンがDHTへとなかば強制的に変異させられ、AGAが起こるという流れになります。
AGA治療薬には5α-リダクターゼ酵素の働きを阻害する作用があるので、AGA治療には適切で1〜5%の割合で性欲が低下し、EDを起こしやすくなるのです。
育毛を頑張りすぎるとEDになるよ?のまとめ
AGAもEDも男性にとってみると「加齢からくる初期の老化現象の代表的な症状」です。これは主に年齢や精神的なストレスがたまって「男性ホルモンの分泌量が低下していく」ことが原因で起こります。
女性の閉経のようなわかりやすい身体変化がない代わりに、体の中ではテストステロンとDHTの奪い合いが発生しているので、AGA対策を優先させすぎてしまうと抗ED物質のDHT量が減り、EDが発生しやすくなります。
ただしAGA治療薬が由来のEDは全体的にみれば1%〜5%程度なので、医師に相談しながら適切に使用している分には大きな問題になることは少ないでしょう。一番やってはいけないのは自己判断で薬を加減することです。
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