薬用育毛剤や化粧品の育毛剤には多くのハーブ成分が配合されていることがあります。
一見すると天然のハーブは安全性が高いと思われていますが、中には薬効が強いものがあります。
セイヨウオトギリソウは別名セントジョーンズワートと言います。ハーブティーなどでもよく知られているのですが、実は強い鎮静効果が確認されています。
その強い鎮静作用の副作用として頭痛があると言われています。
育毛剤に配合されている成分量ではこのような副作用を起こすことは稀なのですが、一部の医薬品との飲み合わせには注意が必要な成分なので今回取り上げてみたいと思います。
セイヨウオトギリソウとは?
セイヨウオトギリソウは育毛剤ではこの名前以外にもオトギリソウエキスとして配合されている可能性があります。
日本ではオトギリソウの亜種ですが、同じオトギリソウ科の多年草で黄色い可憐な花をつけ、見た目もよく似ています。
ところで、どうしてこのハーブが頭痛を起こすのかというと、実は強い鎮静作用があるからなんです。
セイヨウオトギリソウとうのは和名で、正式にはセントジョーンズワートと呼ばれるこのハーブには抗うつ作用が認められています。
このため向精神薬、抗HIV薬(インジナビル)、強心薬(ジゴキシン)、経口避妊薬、抗てんかん薬、抗不整脈薬、気管支拡張薬(テオフィリン)、ある種の免疫抑制剤(シクロシポリン)、血液凝固防止薬(ワーファリン)等の薬との飲み合わせには十分な注意が必要とされています。
これらの薬と併用すると、相互作用で薬の効果が減弱されるといわれています。
効果
欧米では向精神薬や睡眠導入剤、抗うつ剤の原料としても用いられているのがセントジョーンズワートです。
一時日本でもハーブティーとして人気を博しましたが、薬効が強く問題視されたため今はネット通販(個人輸入代行)以外で取り扱っている店舗は少なくなったようです。
セイヨウオトギリソウ(セントジョーンズワート)の効果は次の通りです。
- 抗うつ作用
- 不安障害、強迫神経症、季節性情動障害の改善作用
- 更年期障害やPMS(月経前症候群)の改善作用
副作用
欧米では薬草として認識されているので、副作用についての研究もしっかりと行われています。
日本では消費者庁や厚生労働省がセントジョーンズワートの副作用や飲み合わせに関する注意喚起を行っています。
セイヨウオトギリソウの副作用として現れる症状には
- 胃腸障害
- 眠気
- 皮膚症状(かぶれやかゆみ)
- 情緒不安、不安感の増大
- 抑うつ状態
- 頭痛
- めまい
- 口が渇く
などがあり、合成薬と変わらないような副作用を起こすリスクがあることになります。
頭痛の種類
緊張型頭痛は慢性型頭痛の60%以上を占め、片頭痛は女性のおよそ40%が抱えていると言われています。
群発型頭痛は男性に多いのですが、慢性型頭痛の1割にも満たないレアケースです。
また、群発型頭痛は積極的な治療を要する症状なので、ここでは割合の多い緊張型頭痛と片頭痛について説明していきましょう。
大豆イソフラボンの過剰摂取で起こる頭痛は緊張型頭痛と片頭痛の両方に影響があると思われます。
緊張型頭痛
慢性型頭痛では最も症例数が多い頭痛です。緊張やストレスまたは血流障害などが原因で、筋肉が硬直し、締め付けられるような痛み、しびれるような痛み、ずーんと重くなるような不快感を感じます。
血流が改善すると症状もよくなるので、じっとしているよりも動いたほうが楽になります。
育毛剤には血流を改善する成分が配合されているので、正しく使うことで、緊張型頭痛の予防につながるかもしれません。
片頭痛
慢性型頭痛では緊張型頭痛についで多く、その大半は女性というユニークなタイプの頭痛です。発作の起こり方に特徴があり、頭部の毛細血管が拡張する時に周囲の神経を刺激して痛みとなります。
心臓の鼓動に合わせてズキン!ズキン!と痛むため「拍動性頭痛」とも呼ばれます。
片頭痛の名前の通り、通常は頭のどちらかに症状が集中しますが、ごく稀に左右を問わず発作を起こす症例も確認されています。
予兆や前兆を起こす場合があり、この時は光やにおいに敏感になります。
緊張型頭痛とは逆で動き回ると症状がひどくなるので、薄暗くやや室温が低いところで安静にしておくことが重要です。
アイシングも効果的なので濡れタオルや氷嚢で冷やすと良いでしょう。
重症の方の場合、市販の痛み止めでは効かなくなってくるので、脳神経科など専門医に診察してもらいましょう。
中には緊張型頭痛と片頭痛の両方を持っている混合型頭痛というタイプもあります。
セイヨウオトギリソウと頭痛のまとめ
オトギリソウ科の植物は育毛効果が高いと言われています。特にセイヨウオトギリソウ(セントジョーンズワート)は薬効が高いことで知られています。
そして、副作用に頭痛があるということが医学的にも証明されているので、育毛剤の成分表にセイヨウオトギリソウエキスやセントジョーンズワートと記載されている時には注意してください。
ただし、育毛剤に配合されている成分量なら通常使用の状態で大きな問題が起こることはありません。
注意しなければならないのは現在持病があり、投薬治療を受けている方です。
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