みんなチャップアップの概念間違ってない?

育毛剤という性質上、薬局やドラッグストアで購入するよりもネットで人知れず購入したいという人が多いのではないかと思われます。

今回取り上げるのは、今ネットでAGAの男性を中心に人気が高い育毛剤の「チャップアップ」なのですが、批判的なレビューをみたら「効果がなかった」という意見が多いようですね。しかし、そもそも育毛剤には「医薬品」と「医薬部外品」、「化粧品」があり、それぞれに使用目的が違います。

そこでチャップアップはどのカテゴリーで、どんな目的で使うのが正しいのか…私の経験上身の回りにはこのことを正確に理解できている人が少ないので今回のテーマにしてみました。

ライタープロフィール
 

<マイペース型三重苦のオッサン>

初めまして、ライター歴は6年以上とそこそこ長い五十路のオッサンライターです。melbyでは主に「脱毛」や「育毛」に関する記事を書いていますが、自分の頭も相当ヤヴァイです。

チャップアップは医薬部外品

育毛剤と聞くとなんだか「薬」みたいなイメージを持ちますが、現実には「医薬品(薬)」と「医薬部外品(薬用)」、「化粧品」、「その他のカテゴリー」に分類されます。

脱毛の悩み(脱毛症)全体の約85%がAGA(男性型脱毛症)と言われており、世の中の育毛剤もほとんどが「AGA対策」を目的として開発されているのですが、それぞれの商品が属するカテゴリーによって同じ「AGA対策」でも使用目的が変わってきます

育毛剤のカテゴリー一覧

  • 医薬品:脱毛症の「治療」に用いる薬
  • 医薬部外品(薬用):脱毛症の「予防」や「予後」に使う日用品
  • 化粧品:頭皮や今生えている髪の毛のコンディションを整える日用品
  • その他:上記のどのカテゴリーにも属さない製品(サプリメントなど)

チャップアップは「医薬部外品」なので、今現在「壮年性脱毛症(AGA、FAGA、びまん性脱毛症)」を発症している人が治療目的で使用するのには適していません。

医薬部外品についてもう少し詳しく教えて

育毛剤の医薬部外品の定義については改正薬事法(薬機法:平成18年6月14日施行)には以下のように定義されています。

薬事法第2条第2項
この法律で「医薬部外品」とは、次に掲げる物であって人体に対する作用が緩和なものをいう。
一 次のイからハまでに掲げる目的のために使用される物(これらの使用目的のほかに、併せて前項第二号又は 第三号に規定する目的のために使用される物を除く。)であって機械器具等でないもの
イ 吐きけその他の不快感又は口臭若しくは体臭の防止 ロ あせも、ただれ等の防止
ハ 脱毛の防止、育毛又は除毛

(引用元:薬事法.com「医薬部外品の表示事項(薬事法改正に伴う変更点)」)

つまり化粧品と薬の中間に位置するような商品群で、厚生労働省が承認している薬用成分を一定量以下配合していて、薬よりもリスク(副作用)が低いものという解釈になります。

脱毛症治療に使う育毛剤は「ミノキシジル製剤」が最右翼

チャップアップが「医薬部外品」というカテゴリーの商品であるというのは公式ホームページをみていただければ一目瞭然です。
つまり、チャップアップは脱毛症を発症する前の予防、脱毛症治療時のサポート、脱毛症治療後のケアのために使うのが望ましいという結論になります。

AGA(男性型脱毛症)は脱毛症全体の85%以上を占める疾患なので、チャップアップもAGA対策を前提に開発されていると考えて差し支えないでしょう。AGAは「頭皮の血流障害」、「男性ホルモン分泌不足」、「5α-リダクターゼ酵素の作用亢進」などが原因で起こります。

AGA治療薬(プロペシアやザガーロなどの飲み薬)は5α-リダクターゼ酵素の働きを阻害してAGAの進行を食い止めるための「治療薬」です。また日本皮膚科学会が策定している「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版」ではAGA治療薬とミノキシジル製剤(外用薬)の併用が治療の第一選択肢(推奨度A)に挙げられています。

ミノキシジル製剤というのは脱毛班部の血流を促進させて壮年型脱毛症の進行を遅らせる「医薬品」であり、日本では「リアップシリーズ(大正製薬)」、「スカルプDメディカルミノキ5(ANGFA)」がすでにリリース済みですが、他にも様々な製剤会社から今後発売が予定されています。

なので、もうすでに皮膚科などでAGAや壮年性脱毛症の確定診断を受けている人が治療に使う育毛剤の基本は「ミノキシジル製剤」ということになります。

【まとめ】AGA対策はお早めに!

壮年性脱毛症(AGA、FAGA、びまん性脱毛症)はいずれも「進行性疾患」と言われています。「進行性」とは治療や対策を講じないと症状がどんどん進行していくタイプの病気です。
AGAの場合、20代の男性ですでに10%、以後年代が高くなるごとに発症リスクも10%ずつ高くなり、50代男性で40数%、60代以降は50%以上が発症すると言われています。

そして、毛包が消失した完全脱毛を起こしている毛穴には自毛植毛術以外に治療法が存在しません。

発症率からみても、これだけ多くの人がかかる病気ですから、当然自分の身にも降りかかることを前提として早めの対策をとることで脱毛症のリスクを下げることが可能です。

したがってチャップアップを使用するのに最適なシーンというのは

  • まだ脱毛症と診断されたわけではないけど、脱毛が気になりだした人
  • AGA治療中だけど、ミノキシジル製剤の使用に適さない人
  • AGA治療が一段落して投薬治療が終わったけどケアを続けたい人
  • 女性の脱毛症対策

ということになります。完全脱毛を起こしている人がいくら育毛剤を使っても効果は期待できないのですでに「やばいんじゃない?」と思う人はまず皮膚科やAGAクリニックに相談してください。

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