育毛効果を高める育毛剤の使い方について調べてみた

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「育毛剤」を使っているけど、なかなか効果が実感できない…とお嘆きの方も多いことでしょう。

育毛剤には正しい使い方があり、それを間違ってしまうとなかなか効果が上がらなくなります。
特に「医薬品」や「医薬部外品」の育毛剤は用法・用量を守って正しく使わないと、ぎゃくに脱毛が進んでしまう可能性も…。

そこで、今回は育毛剤の正しい使い方について特集してみました。

育毛剤の正しい使い方について

育毛剤はその種類によって使用する目的が変わってきます。一口に育毛剤といっても

  • 脱毛症の治療を目的として使用する「医薬品」
  • 脱毛症の予防を目的として使用する「医薬部外品」
  • 頭皮の環境を整えて毛周期を正常な状態に近づける「化粧品」
  • 上記のいずれにも属さないその他の商品

に分類されています。つまり、今の自分の「脱毛」の状態によっても使用する育毛剤の種類が異なってくるということになりますね。また脱毛ケアは毛周期に合わせて行うため、長期間の使用が前提となります。(50代以上は日課と心得ましょう)

脱毛の状態とは?

脱毛(薄毛・抜け毛)の悩みというのはその大半がAGAだと言われています。AGAとは「男性型脱毛症」と呼ばれる皮膚疾患で、

  • 20代→約10%
  • 30代→約20%
  • 40代→約30%
  • 50代→約40数%
  • 60代以上→約60%

(日本皮膚科学会:男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版より)

と言った具合に年代によって段階的に患者数が増加していきます。20代でおよそ10%ですから、かなりの発症頻度といって良いでしょう。

しかもAGAは「進行性疾患」です。「進行性」というのは放置していると症状がどんどん進行していくという意味の医学用語です。50代以上になると患者数が飛躍的に多くなるので、発症前に適切なケアをしてできるだけAGAにならない努力が必要ということになります。

AGA(男性型脱毛症)とは?

AGAは脱毛症全体のおよそ85%を占めると言われています。男性型脱毛症という名称からも分かる通り、男性特有の脱毛症で発症のメカニズムが解明され、飲み薬と医薬品の育毛剤を使って症状の進行を遅らせ、毛周期の乱れを再調整し、元の状態に近づけるという治療法が行われます。

AGA発症のメカニズム

AGA発症のメカニズムをフローにしてみたので参考にしてください。

  1. 精巣で作られたテストステロンが血流にのって頭部に送られる
  2. 頭皮付近に分布されている5αリダクターゼ酵素によってDHT(ジヒデロテストステロン)という物質に変異する
  3. テストステロンレセプター(受容体)によってDHTが毛根に運ばれる
  4. 毛周期が乱れ、AGAが発症する

このフローからも分かる通り、AGAを引き起こす原因物質は「5α-リダクターゼ」という酵素です。男性ホルモンには男性の生殖活動や体つきをより男らしくするという働き以外にも沢山の働きがあります。
AGAが男性特有の脱毛症であることから、男性ホルモンの関与が古くから指摘されていましたが、「テストステロン」には生えてきた髪の毛を太く丈夫にするという育毛作用があるため、毛髪に関しても非常に重要な物質なのです。

一方のDHTには「性欲を高める」、「前立腺や精巣の働きを活性化させる」、「意欲や集中力を高める」、「体温を上げる」、「血流を上げる」といった具合にこちらも重要な働きのある性ホルモンです。

男性ホルモンの分泌量は20代をピークにその後は次第に減っていきます。DHTが不足すると「うつ状態」、「ED(勃起障害)」、「前立腺障害」などの健康被害を起こしやすくなるため、頭皮付近のテストステロンも強制的にDHTへと変異されてしまうことになり、AGAが発症するというしくみです。

飲み薬のAGA治療薬(プロペシア、ザガーロなど)は5α-リダクターゼの働きを阻害し、テストステロンがDHTに変異されることを抑制します。このためAGA治療薬を長期間服用していると相対的にDHTが作られにくくなり、「うつ状態」、「性欲の低下」、「ED」、「慢性的な倦怠感」などの精神症状が起こりやすくなります。

育毛剤の種類によって使い方が異なるの?

一方、育毛剤(塗り薬)は頭皮付近の血行を促進させて毛根に十分な栄養と酸素を届け、毛周期の乱れを再調整するという目的で使用されます。

人の毛髪の毛周期はだいたい2〜6年かけて生え変わりを繰り返しています。
毛周期には「成長期(初期)」、「成長期(中期)」、「成長期(後期)」、「退行期」、「休止期」という5つのステージがあり、健康な毛髪では次の表のような状態が維持されています。

ステージ毛髪の状態
成長期(初期)新しい毛根と毛ができる時期。まだ見た目には無毛の状態
成長期(中期)毛根が成熟し、毛穴の外に毛が伸び太く成長していく時期
成長期(後期)毛が完成し、毛根と毛の成長が止まる時期
退行期毛細血管と毛根の接続が遮断され、脱毛が起こり始める時期
休止期脱毛して新しい毛根を作るための準備期間

AGAやその他の脱毛症ではこのサイクルが狂い成長初期や中期からいきなり退行期へとジャンプしてしまうのです。

このため育毛剤のカテゴリーごとに使用する目的が変わってきます。

  • 医薬品の育毛剤:脱毛症が確認されたら使う
  • それ以外の育毛剤:脱毛症になる前、または治療によって寛解(治療が必要なくなる程度に改善)した後に再発予防目的で使用する

ということになりますね。疾病というのは10%を超えたら「国民病」と言われますのでヘアケアは20代からスタートしておいたほうが良いということになりますが、この時は医薬品以外の育毛剤を使うほうが副作用のリスクが低くなります。

また医薬品の育毛剤は脱毛班(脱毛部位)に対して集中的に使用しますが、それ以外の育毛剤は頭皮全体に対して使うのが一般的です。

医薬品育毛剤・リアップX5プラス・スカルプDメディカルミノキ5の使い方

医薬品育毛剤のリアップX5とスカルプDメディカルミノキ5はいずれもボトルの先端を直接脱毛班に付けて薬剤を塗布するという使用法になります。

【動画】リアップX5プラスの使用法

【動画】スカルプDメディカルミノキ5の使用法

医薬品育毛剤・リアップジェンヌ(女性用)の使い方

女性の脱毛症(FAGA、びまん性脱毛症)の治療薬はリアップシリーズの「リアップジェンヌ」です。こちらは1%ミノキシジル配合薬です。リアップX5プラスやスカルプDメディカルミノキ5は5%ミノキシジル製剤で、女性の脱毛症の治療には使うことができません。

【動画】リアップジェンヌの使用法

医薬部外品育毛剤・チャップアップの使い方

チャップアップは今話題の医薬部外品育毛剤でミノキシジル製剤に比べると肌への刺激が少なく、女性にも使える育毛剤です。
しかも、ミノキシジル製剤が1日2回の使用法に対してチャップアップは1日1回の使用で十分な効果を発揮します。
使い方はとても簡単

  1. 洗髪後ドライヤーで髪の毛を乾かす
  2. チャップアップを頭皮全体にスプレーする
  3. 1分ほどマッサージを行う

たったこれだけ!簡単ですね。まだ脱毛が気になり始めたばかりの人や脱毛症になるのが嫌だから早めにケアをしたい人にはおすすめの育毛剤です。

ドライヤーやシャンプーの使い方一つで育毛剤の効果が変わる?

脱毛症は頭皮の衛生状態や毛髪の健康状態が悪化しても起こりやすくなります。特にドライヤーの熱は髪や頭皮を傷めやすいので、ドライヤーを使う時は20cm以上離して髪の毛の根元に風を送るように使ってください。

また、シャンプーはシリコンが配合されているタイプを使うと、頭皮や髪の毛の表面に強力なシリコン膜ができて育毛剤の有効成分が浸透しづらくなります。
できればノンシリコンでアミノ酸系シャンプーを使い、爪を立てずに優しくマッサージしながら洗うと、血行が促進されて育毛剤の効果が出やすくなります。
予洗いをしっかりと行えばシャンプーは1回で十分です。

髪や頭皮のためにいろいろと栄養を与えたくなるのが人情ですが、医薬品の育毛剤を使用している期間やAGA治療中はコンディショナーやリンスなど余計な刺激を与える可能性があるヘアケアコスメはできるだけ使わないほうが良いでしょう。

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