AGA治療薬のエース的な存在がフィナステリド（薬品名：プロペシア）ですが、現在服用している方もこの薬について正しく理解している人は少ないと思われます。
薬について正しい知識を身につけることは治療効果を上げることにもつながるため、今回はフィナステリドについて詳しく解説していきたいと思います。
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目次
フィナステリド内服薬について
フィナステリドを主成分とするAGA治療薬は「プロペシア」と「プロペシアジェネリック」が現在日本では承認されています。
どちらも0.2mgと1mgの2種類展開ですが、実際の治療では1mgが用いられます。
しかし、フィナステリドはもともと前立腺肥大症とそれに伴う高血圧の治療薬として開発された成分です。
前立腺肥大症治療薬のプロスカーにはフィナステリドが5mg配合されています。
AGA治療は保険証が効かない自由診療（100%自己負担）なので、より安いフィナステリド内服薬を購入するために海外製のプロスカーを求める方もいますが、薬の用途が異なるので、自己判断でプロスカーを求めるのではなく、正規のプロペシアかプロペシアジェネリックを入手することをおすすめします。
フィナステリド内服薬の価格
自由診療では医療機関ごとに独自の料金設定ができるので、同じプロペシア1mgが処方されても値段が違うということも珍しくありません。
AGAは進行性疾患であり、基本的にプロペシアは飲み続けなければならない医薬品なので気になるプロペシアとプロペシアジェネリックの相場を調べてみました。
| 薬品名（内容量） | 料金 | 料金（90日分） |
|---|---|---|
| プロペシア1mg | 8,200円（28日分） | 26,200円 |
| プロペシアジェネリック1mg | 3,800円（30日分） | 12,000円 |
だいたい東京では国内正規品でこのぐらい価格です。これより大幅に安い場合は海外製のジェネリック医薬品が使われていると考えられます。
AGA治療はフィナステリド1mgがスタンダード
AGA治療用のフィナステリドは0.2mgと1mgがありますが、ほぼ治療で使われるのは1mgの方です。
フィナステリド1mgは1日1回の服用です。食事やアルコールの影響が少ないので同時に服用しても問題はありませんが、アルコールは適量（ビール小瓶1本、赤ワイングラス2杯程度）を超えないようにしてください。
飲み忘れを防ぐためにも、夕食後や寝る前など時間を決めて服用するのがおすすめです。
フィナステリドの効果
フィナステリドはAGAの原因物質、「5α-リダクターゼ」の働きを阻害し、病状の進行を遅らせます。
フィナステリド自体に発毛効果や育毛効果はありません。しかし、高い育毛作用を持つ男性ホルモンの一種テストステロンを違うタイプの男性ホルモンであるDHTに変異させる5α-リダクターゼの働きを阻害することで、AGAの進行がとまりヘアサイクルが正常な状態に近づいていきます。
フィナステリド＋ミノキシジルで効果アップ！
日本で唯一発毛効果が認められている医療用成分が「ミノキシジル」です。日本では外用薬として5%配合まで承認されています。
日本皮膚科学会が策定している男性型ならびに女性型脱毛症治療ガイドライン2017年度版ではフィナステリド内服とミノキシジル外用はどちらも「行うことを強く勧める」というランクの推奨度Aになっています。
このことから多くの医療機関でAGA治療時にはフィナステリド内服（1mg）＋5%ミノキシジル外用薬という組み合わせが第一選択肢になります。
フィナステリドでAGAの進行を食い止め、ミノキシジルで発毛を促進させるという治療法ですね。
ただし、どちらも効果が出るまではある程度の時間がかかり（3ヶ月以上）、治療は年単位で継続する必要があります。
副作用について
日本国内でプロペシア1mgを6ヶ月間連続投与した場合に確認された副作用は次の2つと報告されています。
- 性欲減退：1.1%
- ED：0.7%
特に注意が必要なのがフィナステリドにアレルギーを示した時にでるアナフィラキシーショックです。（全身浮腫、腎機能障害、肝機能障害、蕁麻疹、呼吸困難など）
また血圧に作用する薬なので、心臓や梗塞性疾患、高血圧性疾患などの持病があり、治療を受けている場合は主治医か処方医に前もって相談してください。
フィナステリド内服薬が処方できないケース
フィナステリドは副作用リスクが低いので、原則的には併用禁忌薬（同時服用できない薬）はありませんが、何かしらの持病があり、服薬治療を受けている場合は処方医か薬剤師の指示に従ってください。受診する時は薬の手帳を活用することをおすすめします。
そして女性と未成年には処方できません。
また65歳以上の高齢者は慎重投与が必要とされています。
女性は要注意
フィナステリドは触っただけでも皮膚から浸透していく成分です。女性型脱毛症に対する治療効果はないので、触っても特別なことは起こりませんが、妊婦や授乳中の女性は、胎児と新生児の生殖器に影響が起きてしまう可能性が示唆されているので、安易に触れないように注意してください。
ただし、女性が妊娠または授乳中で、パートナーがフィナステリドを服用しているような場合は、女性が薬に触れたり飲んだりしなければ問題はありません。
フィナステリド内服薬についてのまとめ
フィナステリド1mg（プロペシア1mg）は現在AGA治療における中核的な役割を果たしている内服薬です。この薬でAGAの進行を食い止め、ミノキシジルで発毛を促すのがスタンダードな治療法です。
ただし、国内のAGA治療は保険証が使えない自由診療であることから、同じ薬を処方されても医療機関で値段が異なること、そして長期間服用し続けなければならないことから、診察を受ける医療機関選びに悩みがちになります。
一般的にはAGAクリニックや美容皮膚科などもともと自由診療しか行わない医療機関は薬代に診察料がパッケージになっていて、一般皮膚科よりもトータルの料金が安くなる傾向があります。
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