日本人で薄毛の悩みを抱えている人はおよそ60%!実際に「脱毛症」を発症している人の割合は男性だと50代をすぎるとおよそ40%強、女性は10%強が発症してしまうと言われています。
しかし、日本だと脱毛症の治療にかかる費用は全額自己負担の自由診療です。また、治療には長い月日を要するし、治療薬は脱毛症のタイプが限定されています。
さらに、内服薬があるAGA(男性型脱毛症)でもミノキシジル外用薬を併用すると治療効果が上がることが判明しているので、「養毛剤」というのは薄毛の悩みを抱える人にとって欠かせないアイテムですね。
今回は代表的な養毛剤の種類と効果、女性の脱毛におすすめの養毛剤などを調べてみました。
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目次
そもそも養毛剤とは?
抜け毛や薄毛が気になってネットで検索していると「育毛剤」、「養毛剤」、「発毛剤」などいろいろなワードがヒットします。この3つの言葉には何か違いがあるのでしょうか?
昔風の解釈だと「発毛剤」=毛を生やすもの、「育毛剤」=毛を育てるもの、「養毛剤」=薄毛、抜け毛を予防するためのもの、という違いがありました。ニュアンス的には
- 発毛→無毛の状態から毛を生えさせる
- 育毛→細くて弱い毛を丈夫に育てる
- 養毛→生えた毛を抜けにくくるために養生する
といった違いです。しかし、現在「脱毛症のメニズム」が一部解明され、完全脱毛を起こしている毛穴では毛が再生してこないことがわかっているので、発毛も養毛も結局は「毛周期を正常にする育毛の一環」ということになり、同じ目的で使用される商品群になりました。
養毛剤と育毛剤の違いって何?
前のパートで説明している通り、今では養毛剤と育毛剤の違いというのはありませんが、開発目的が「脱毛予防」の場合は「養毛剤」を強調したいメーカーもあるようです。
脱毛が起こってしまう直接的な原因は「毛周期の乱れ」です。毛周期には
- 成長期(初期)
- 成長期(中期)
- 成長期(後期)
- 退行期
- 休止期
という5つのステージがあります、休止期になると、毛は毛根ごと毛が抜けてしまいますが、内側では新しい毛根が生まれる準備段階に入っています。
昔の解釈では、「休止期」に効果があるヘアケアコスメが「発毛剤」、成長中期までに効果があるのが「育毛剤」、成長後期をできるだけ長引かせて抜け毛を防ぐのが「養毛剤」ですが、毛周期はだいたい2〜4年で生え変わり、人によってサイクルの長さが決まっています。
さらに、毛穴の内側を覆っている「毛包」には、毛根の再生を促す「バルジ領域」という組織があり、バルジ領域ごと消失してしまった毛穴から毛が生えてくることはありません。
したがって、発毛も養毛も結局は「育毛によって毛周期を正常化させるためのヘアケア」ということになるんですね。そのため今では「育毛剤」という呼び方が一般的です。
養毛剤にはどんな効果があるの?
養毛剤(育毛剤)には一般品から医薬品まで様々な種類がありますが、目的は全て「毛周期」を正常なサイクルに戻すことです。
育毛剤でケア可能な脱毛は「壮年性脱毛症」と言われるタイプで「AGA(男性型脱毛症)」、「FAGA(女性型脱毛症)」、「びまん性脱毛症」の3つの脱毛症になります。
それ以外の脱毛症には残念ながら効果は確認できていません。では壮年型脱毛症以外の脱毛にはどのようなものがあるのか、一覧にして簡単に説明していきます。
脱毛症名 | 原因 | 対処法 |
---|---|---|
円形脱毛症 | 精神的なストレスや皮膚病など | 90%以上は自然寛解 |
多発型円形脱毛症 | 精神的なストレスや皮膚病など | 90%以上は自然寛解 |
重症性多発型円形脱毛症 | 不明 | 局所免疫療法など |
尋常性白斑症 | 不明 | ステロイド内服薬、低出力レーザー療法など |
牽引性脱毛症 | 髪を強く引っぱる髪型など | 髪を強く引っ張らないようにする |
トリコチロマニア | 精神的なストレス | 心理カウンセリングなど |
出産後脱毛症 | 出産に伴うホルモンバランスの乱れ | 99%以上は自然寛解 |
重症アトピー性皮膚炎 | アレルギー | 塗り薬などによる対症療法 |
脂漏性皮膚炎や毛嚢炎 | 頭皮の不衛生、生活習慣の乱れ、刺激の強いシャンプーの使用など | 低刺激性のシャンプーや育毛剤の使用 |
心因性脱毛症 | 精神的なストレス | 精神科や心療内科での治療 |
薬剤性脱毛症 | 薬の副作用 | 投薬の中止 |
この他にも自己免疫性疾患(全身性エリテマトーデスや重症筋無力症など)、過激なダイエットによる栄養不足など様々な原因で脱毛が起こります。
いずれも発症率はそれほど高くありませんが、「養毛剤(育毛剤)」でどうにかなるというものではないということがわかりますね。
医薬品の養毛剤にはどんなのがあるの?
養毛剤(育毛剤)には
- 医薬品:脱毛症の「治療」を目的に使用する
- 医薬部外品(薬用):脱毛症の「予防」を目的に使用する
- 化粧品:地肌のキメを整え、脱毛が起こりにくい環境に整える
- その他:上記以外の商品群
というように分類されています。
医薬品は今の所2種類、大正製薬が出しているリアップシリーズとANGFA(アンファ)が出しているスカルプDメディカルミノキ5です。いずれも第1類医薬品に指定されているので、薬剤師の説明をしっかりと受けて購入してください。
ANGFAからリリースされている他のスカルプDシリーズは医薬品ではありませんのでご注意ください。
さらに、毛周期はストレスや生活習慣の乱れに強い影響を受けるので、養毛剤を使用するときは生活習慣の改善やストレスケアも同時に行うことがとても大切です。
養毛剤って男性専用?
壮年性脱毛症患者のおよそ80〜85%が男性、また脱毛の悩みを抱えている人の割合も男女比では2:1と圧倒的に男性の方が多いので、養毛剤は男性向け商品だと考えられてきました。
しかし、高齢化や女性の社会進出が進むにつれ、女性の間でも「薄毛や抜け毛に関する悩み」が年々増加傾向を示すようになりました。
それに伴い毎年女性専用の養毛剤(育毛剤)の新商品が開発され、隠れたヒット商品になっています。男性と女性では脱毛を起こすメカニズムが若干異なりますが、「治療」を目的とした「医薬品」でなければ同じ養毛剤を使用することができます。
しかしながら男性向けの養毛剤には独特の匂いがあったり、メントールの刺激が強すぎて毛穴が萎縮してしまうなど使い心地の面で女性には敬遠されがちです。
女性用養毛剤はリアップジェンヌがおすすめ
女性用の脱毛症治療薬として認められているのは大正製薬から発売されている「リアップジェンヌ」です。この医薬品には壮年型脱毛症に対し70%以上の治療効果が立証されている「ミノキシジル」が1%配合されています。
また女性専用ということで、パッケージもフェミニンな感じですね。リアップには他にもいろいろな製品がありますが、日本皮膚科学会が公表している「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017年版」には副作用のリスクから女性の壮年性脱毛症に対するミノキシジルの推奨度は1%がA(使用することを強く推奨するレベル)ですが、それ以上の割合でミノキシジルが配合されているタイプは推奨度D(使用しない方が良いレベル)になっています。
これらのことから、「脱毛症治療」を目的とした女性向けの医薬品なら「リアップジェンヌ」がイチオシといことになりますが、副作用のリスクがゼロではないので、薬剤師からきちんと説明を聞き、使用上の注意書きをよく読んで正しく使うようにしてください。
代表的な養毛剤の口コミを調べてみた
このパートでは男性向け、女性向けそれぞれに代表的な養毛剤の口コミを調べてみましたので購入の際の参考にしてください。
男性向け養毛剤の口コミ
- 薬用ナノアクション:刺激や嫌な匂いがないので使い心地はいいです。ただし、育毛剤は半年以上使い続けなければならないらしいのでのんびり取り掛かります。
- 薬用紫電改:半年以上使ってます。髪の毛が生えてきました。
- リアップX5プラス:匂いや刺激が気になりますが、1年使って大分毛が生えてきたことを実感しています。
女性向け養毛剤の口コミ
- マイナチュレ:ローションタイプで無臭です。髪や頭皮にすーっと馴染んでいく感じがしますが、液だれが気になります。まだ使って2ヶ月程度なので発毛や育毛の効果は実感できてませんが、抜け毛は減った感じです。
- かんきろう:ボリュームが蘇ってきた感じがします。男性にも使えるので夫婦で愛用しています。
- リアップジェンヌ:女性用唯一の医薬品なので使っています。確かにボリュームが蘇ってきた感じです。
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