近年脱毛ケアや男性の夜間頻尿に効果があるということで話題のハーブが「ノコギリヤシ」です。
しかし、ノコギリヤシを飲むと眠くなるという意見がネットでもちらほらと見かけることがあります。
果たしてノコギリヤシには睡眠を誘引する作用があるのでしょうか?今回は気になるノコギリヤシと眠気について考えてみました。
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ノコギリヤシとは?
ノコギリヤシはアメリカ大陸原産のヤシ科の植物です。古くからアメリカ先住民族の間では中高年男性特有の諸問題を解決するハーブとして用いられてきました。
ヨーロッパでは前立腺肥大症やそれに伴う高血圧を緩和する代替医療用成分としても認められているほど効果が高いハーブエキスです。
葉っぱがノコギリのようにギザギザしている見た目から「ノコギリヤシ」と呼ばれていますが、サプリメントに配合されているエキスは主に果実から抽出されたものです。
近年ではさらにノコギリヤシ成分の研究が進み、薄毛や抜け毛などの毛髪トラブル対策としても有効ということが判明し、育毛サプリでは主役級の成分として利用されています。
ノコギリヤシが持つ抜け毛抑制作用
全脱毛症の中で90%以上を占めるAGA(男性型脱毛症)の原因は5α-リダクターゼという酵素です。この酵素は高い育毛作用を持つテストステロンという男性ホルモンをDHT(ジヒデロテストステロン)という違う男性ホルモンに変異させます。
ノコギリヤシの果実には5α-リダクターゼの働きを抑制する成分が含まれていて、抜け毛の進行を遅らせる効果が期待できます。
また、血行促進作用があり、毛根に栄養と酸素を届ける力がアップするため、髪の毛が生えやすくなります。
ノコギリヤシが持つ血行促進作用が頭皮の新陳代謝を高め、白髪を改善していく効果も期待できるのです。
体質によっては眠くなる?
ノコギリヤシサプリを飲むと眠くなるというのは眠気を誘う成分が配合されているとか、神経や筋肉を弛緩させる作用があるというわけではありません。
これは巡り改善作用からくるものと考えられます。人はリラックスするとき血管が拡張し血流が改善することが知られていますが、眠りにつくときは逆に血管の収縮率が低くなり、血流量は低下します。
体質によってはノコギリヤシを飲むことで血管が拡張して、収縮率が低いままになり血流量が低下して低血圧に近い状態となり、眠気を覚えることが起こり得るといえます。
副作用について
ノコギリヤシは日本だとあくまでも健康食品の成分です。したがって医療用成分のような重篤な副作用については報告されていません。
ただし、服用しているときの体調や体質によっては副作用様症状が起こる可能性があります。
また、食物アレルギーを持っている人や降圧剤を処方されている方は注意が必要です。
副作用様症状と副作用の違い
副作用という言葉は医療用成分に用いられる医学用語なので、食品に用いるのは不適切とされています。
しかし、アレルギーやその食品が持つ有用性からくる特性が原因で何らかの副作用に近い症状を起こすことがあります。この場合は「副作用によく似た身体異常」という意味で副作用様症状という言葉が用いられる場合があります。
眠気を催すというのはこの副作用様症状の一つと言ってよいでしょう。
服用に最適なタイミング
低血圧症ではなく、ノコギリヤシを飲んで眠くなるのは一時的な血管拡張による血流量の低下だと考えられます。そこで、逆にこの作用を利用して、寝る前にノコギリヤシを飲むというのがベストなタイミングという人もいるかもしれません。
特に普段から不眠傾向がある方は横になると脳(自律神経)が興奮して寝つきが悪くなることがあるので、そのような経験を持つ方は試してみると良いでしょう。
また、ノコギリヤシサプリを飲んで眠くなる人は日中の服用を避けてください。
ノコギリヤシと眠気のまとめ
ヨーロッパでは高血圧治療の代替医療用成分としても認められているぐらい、血圧に作用する高い効果を持つのがノコギリヤシです。
ノコギリヤシエキスを飲んで眠くなるというのは、催眠作用のある成分を含んでいるということではなく、血管が拡張することで気分が落ち着き眠たくなるということではないかと考えられています。
低血圧や体質によって血管の活動が緩慢な方は眠気を催しやすくなる可能性があるので、日中の服用は避けたほうがよいでしょう。
ただし、副作用ではないので過度の心配は必要ありません。服用するタイミングを寝る前にすれば寝つきがよくなるなどのメリットもあります。
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