美容師もフリーランスの時代!そのメリットやデメリットについて解説

突然ですが、厚生労働省ホームページの美容業概要によると、平成27年3月末現在の従業美容師数は、49万6,697人で前年より9,061人増加しているそうです。少子化で人手不足と言われる日本ですが、美容師の人気は衰えることはありません。

そこで今回は、どうやったら美容師になれるのか、気になる年収について、美容師としてのフリーランスの働き方、メリット・デメリットなど美容師に関する情報を紹介します。

美容師の平均年収は?

平成17年度厚生労働省 生活衛生関係営業経営実態調査報告書によると、美容師の平均年収は286万円で、平均時給は1,250円となっております。一方、平成17年賃金構造基本統計調査(全国)結果の概況では正社員・正職員の25~29歳男性で平均年収が243万、50~54歳で429.5万となっているため、年齢を重ねるごとに企業に勤める会社員との差が出てくる可能性もあります。

データから見るに、美容師の平均年収は他と比べてあまり良いとは言えません。ですが、これはあくまで平均であり、アシスタント時代は、給与がこれよりも少ないことも珍しくないです。反対に人気が出てきたり、役職がつくと給料もアップし正社員・正職員のへいきんよりずっと稼げるようになることも。

また、シャンプーなどの物販や、指名料などでインセンティブを設けている美容室もあるので、実力次第では給料アップが望めることもある職業です。

美容師になるには美容師免許の取得が必要!

美容師は国家資格です。美容師として働くためには、美容師免許の取得が必要になります。

美容師免許の取得は、まず美容師養成施設(美容専門学校)へ入所し、美容師国家試験の受験、合格したら美容師名簿への登録(免許申請)をすると晴れて美容師免許の取得となります。美容師国家試験を受験するためには、厚生労働大臣が指定する美容師養成施設を卒業する必要があるため、美容専門学校で知識・実技を学ぶことが必須となります。

美容師免許の取得は美容専門学校へ

美容専門学校への入所資格は、高等学校卒業者(当分の間は中学校卒業者も可)となっています。修行期間は2年以上(通信課程は3年以上)

高校卒業後すぐに働きたいという人には美容師資格と高卒同等資格が取れる学科がある学校もあるので、ぜひ調べてみてください。美容専門学校は昼間課程、夜間課程、通信課程の3つが用意されているので、自分のライフスタイルに合わせて勉強することができます。

美容専門学校の昼間課程、夜間課程、通信課程のそれぞれの特徴と大まかな授業料を紹介していきます。

美容専門学校 昼間課程

多くの人が昼間課程に通っており、美容専門学校といえば昼間過程を想像される人も多いと思います。美容専門学校の昼間課程は、8時から17時など、通常の専門学校と同じような時間帯で、美容師を目指すためのカリキュラムが組まれています。

昼間課程だけ行っている専門学校も。期間は2年間。通信課程よりも早く卒業ができます。
学校によっては、運動会や作品発表会など、一般の専門学校と変わらず授業以外のイベントがあるので、美容師を目指す学生が高校卒業後の進学先として選ぶケースが多いです。

2年間の学費は200万円〜300万円程度。専門学校毎に差があります。ほとんどの学校で学費に教材費が含まれていますが、追加で必要なものを購入するときや、研修に関する費用など別途必要になるケースが多いです。入学前に2年間でトータルいくらかかるのか調べておくと安心です。

美容専門学校 夜間課程

昼間他の学校へ行っていたり、働きながら美容師を目指す人に夜間課程が人気があります。専門学校によっ時間は違いますが、19時から23時辺りで授業を行うことが多いです。

夜間課程の期間は2年間。昼間課程と同じ期間です。昼間課程に比べ授業時間が短いので、学校によっては昼間制よりも授業内容が多少簡素化し、国家資格合格を目指す授業が中心となっている学校が多いようです。

夜間のコースは、学費だけで見れば昼間のコースよりも平均100万円程度安く100万~200万円程度となっております。

美容専門学校 通信課程

美容室でアシスタントとして働きながら勉強したり、近くに美容専門学校がなく通学が難しい人などにオススメなのが通信課程です。

通信課程の期間は3年。昼間・夜間過程よりも1年多く勉強することになります。通信課程は普段は自宅でテキストを中心に学び、レポート提出などをし、専門学校が定めたスクーリングの規定の期間に登校して学科・実技を受講します。

昼間・夜間課程に比べると実技の時間が短いため、アシスタントとして技術を習得したり、家で練習できる環境があるのがベストでしょう。

学費は昼間課程、夜間課程、通信課程の中で1番安く、3年間で50万~70万円程度となっています。

美容師国家試験は年に2回。受験料はいくら?

美容師国家試験は年に2回、2月と8月に行われます。筆記試験と実技試験があり、多くの受験者が専門学校終了前の2月に受験し、2月で不合格判定を受けた学生が、8月に再受験するようです。

合格率が高いので、専門学校で勉強した内容や、過去問をしっかりマスターして置くようにしましょう。実技は普段の練習が物をいいます。時間内に正確にこなせるよう、実地試験までしっかり練習しておいてください。

受験料 ・実技試験及び筆記試験(両方)受験 25,000円。実技試験のみ受験は、12,500円、筆記試験のみ受験は12,500円となっています。

美容師免許は毎年高い合格率

美容師免許の合格率は、平成27・28年度の2月試験では89.1%、平成29年度では85.8%と高い合格率となっています。

また、(公財)理容師美容師試験研修センターの調べによると、平成27年度中に新たに美容師免許を取得した者は19,005人であり、前年度より増加しているというデータも。美容師の人気の高さが伺えます。

美容師のアシスタントの業務内容は多岐に渡ります

美容師免許を取得したら、多くの人はサロンへ就職します。就職したからといって、最初からお客様の髪を切らせてもらえるわけではありません。

サロンに勤務したはじめの数年は、アシスタントとして先輩スタイリストのサポート業務をすることになります。業務内容はシャンプー、マッサージ、ヘアドライ、カラー剤やパーマ液の用意、掃除ごみ捨てなど多岐に渡ります。

サロンの営業終了後は、そのままサロンに残り、カットやカラーなど実技の練習をし、スタイリストになる修行を重ねます。この研修アシスタント時代に、技術の向上だけでなく、サロン業務の流れや先輩の接客術などをしっかりと学んで置くと将来に役立つでしょう。

美容師の転職はめずらしいことではない

美容師の平均勤続年数は4.9年と言われています。転職率は決して低くはありません。アシスタントからスタイリストへと昇格し、経験を積むうちに、自分のしたいことができるサロンへ移りたくなったり、店長として働ける求人を見てステップアップを考える人もいるからです。

実力や人気のある人は、他のサロンからヘッドハンティングを受けることも。

一方で、他の従業員との人間関係がうまくいかず、転職をする人や、結婚出産でライフスタイルが変わり、働きやすい条件のサロンへ移ることもあります。

その中で、海外へ出たり、フリーランスとして独立する人もいます。

美容師の求人はなくなることはない!?

インターネットの普及にともない、美容師の求人を掲載しているサイトが増えてきました。中には、美容師や、アイリストなど、美容関係者専用の求人サイトもあるほどです。

厚生労働省のデータによると、美容室の数は全国に約24万軒近くも存在します。街を歩いていると見かけることの多いコンビニでも全国で5万軒程度と言われていますので、求人がなくなるということはほぼないといってもいいでしょう。

美容専門学校時代の知り合いや、美容師になってからの仕事の和からも求人の話を耳にすることもあると思います。求人情報を探している人は、チャンスを逃さず積極的に情報を集めていくことをおすすめします。

美容師のフリーランスについて

近年、働き方が多様化してきている影響もあり、フリーランス美容師として働く美容師が増えてきています。フリーランスの美容師は、他の職種のフリーランスと同じく個人事業主として開業届を税務署に提出し、働くことになります。

1つの会社と雇用契約を結ぶことなく、自由な働き方を選ぶことができるため、第一線で活躍する美容師や、空いた時間だけ仕事をする美容師など、働き方に大きな違いがあるのが特徴。

日経MJの2018年11月7日発行分によると、2017年時点のフリーランス美容師数は、8万3千人ほど。このデータは年々増加しているということです。

フリーランス美容師の働き方は大きく分けて2つ

美容師がフリーランスとして働くには、面貸しと業務委託という2つの働き方があります。面貸しと業務委託は労働基準法上はどちらも業務委託なのですが、少し違った働き方になるため、美容業家では分けて呼ばれているそうです。

面貸しも業務委託も、サロンと一事業主通しでの取引を行うこととなります。

スペースやシャンプー台などを借りる面貸し

面貸しは、美容室として使えるスペースを借りて施術をすること。鏡貸しと呼ばれることもあります。フ

リーランスのセラピストはレンタルサロンを使うことがありますが、美容師は鏡や椅子のほかに、シャンプー台などの機材が必要になります。そのため面貸しを行っている美容室にスペースを借りて場所代を払い施術を行うケースが一般的。

はさみやカラー剤など、必要な物は自分で用意し、営業も自分で行います。自分で料金の設定ができるため、実力や人気次第ではサロン勤務よりも収入が稼げる場合も。

サロンと契約をする業務委託

業務委託は、事業主通しの契約という形での取引をする働き方。業務委託の場合、給与ではなく、報酬として対価が支払われることになります。

業務委託で働くと、仕事で使う道具は会社持ちで営業も行ってくれるので、美容師自身は施術に専念することができます。自分の好きな時間だけ働くことができるので、サロン勤務よりも時間の自由度が上がります。

フリーランス美容師のメリット

フリーランス美容師のメリットは、なんといっても自由な時間が増えること。サロン勤務の場合、営業時間が終わってもアシスタントの指導や、会社独自のコンテストがある場合はその準備など、深夜までお店にいるということも少なくありません。

一方フリーランスになると、会社の予定に合わせることなく、自分で時間を決めて働くことができます。そして、雇用契約を結んでいるときは、固定の給与が支払われるのに対し、フリーランスは歩合制のため働いたら働いただけ収入も増える可能性があります。

フリーランス美容師のデメリット

フリーランス美容師のデメリットは、すべて自分次第なので、働く時間や施術数が少ないと、ダイレクトに収入に影響してしまうことです。インセンティブやボーナスもありませんので、サロン勤務のときの方が収入が多かった。なんてことも。

そして、個人事業主なので確定申告も自分で行う必要があり、その他営業や顧客管理、道具の管理なども全て1人で行われければなりません。美容師であり経営者でもあるという自覚が持てない人には負担がかかってしまうこともあります。

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